小児科 すこやかアレルギークリニック

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2009年06月04日 更新

先日、蕁麻疹の患者さんが受診されました。当院でぜんそくの治療中だったお子さんです。

上越だけかどうか分かりませんが、蕁麻疹や皮疹だと皮膚科、中耳炎や鼻水だと耳鼻科を受診される方が多いように思います。個人的には、もっと小児科を利用して欲しいと思っています。

食後2時間くらいして全身に蕁麻疹が広がったそうです。患者さんは慌ててある皮膚科を受診されたそうです。「ぜんそくがあるんだから、蕁麻疹がでやすい」と説明され、抗アレルギ―薬が出されたそうです。広範囲に出たせいか、数日蕁麻疹が出たり引いたりして、消失したそうです。

お母さんとしては、2時間前の食事の中でヤマイモの可能性があると感じていました。しかし、皮膚科を受診した時にそのことを言い出せずに、あっという間に診察が終わってしまったそうです。

結局、当院に来られました。蕁麻疹は皮膚科の先生がおっしゃる通り、アレルギー体質のお子さんに出やすいと思います。アレルギー専門医が診療しても、原因が特定されないケースも実は多いのです。いわゆる風邪がきっかけで出ることもあります。

しかし、だからと言って「どうせ分からないから」と原因検索をしないのはどうかと思います。“決めつけ”はよくないのです。特に子どもの場合は、食べ物が原因になっている可能性が大人よりは高い訳ですから、食事の時間や内容を聞くくらいのことはしてもいいと思うのです。

しかし、小児科医でも食物アレルギーを専門的に診察している医師は少ないので、皮膚科の先生がどこまで対応できるのかという疑問は残ります。実際に、乳幼児のアトピー性皮膚炎の悪化要因として卵や乳製品などが挙げられる訳ですが、検査している皮膚科医はまず見かけません。それは食事は無関係と考える皮膚科医が多いのが理由とされています。

一方、蕁麻疹はソバや甲殻類が原因で出て受診される大人も多いでしょうから、冒頭のお子さんの場合も原因検索をしても良かったのではないかと思っています。いつも言っている通り、食物アレルギーの確定は「食物負荷試験」が有効とされていますが、皮膚科の先生はまず実施していないと思います。ご自分のお子さんで同じことが起こった時に、どうされるのかなと考えてしまいます。

当院は、アレルギーにこだわっているし、蕁麻疹で困っている患者さんが受診すれば何とかしなければと思います。食物アレルギーは県内では数少ない専門医として、いい加減なことはできないと思います。一般的に、食物アレルギーは食後2時間以内に発生するものを指しますので、このお子さんの場合も積極的に原因検索をしなければならないことでしょう。

親御さんは、今回のかなり広範囲の蕁麻疹にかなりビックリしていましたし、また起きるかもしれないと不安を抱えていました。そういう気持ちを察してあげるべきではなかったかと思います。

私は、お母さんの訴えをよく聞き、ヤマイモが原因である可能性も充分に考えられたため、アレルギー検査を行うことにしました。ヤマイモは年長児でもアナフィラキシーを起こすこともあり、是非調べるべきだと思いました。仮にヤマイモが陰性であっても、それはそれで親御さんの安心材料になればとも考えました。

特に小児科医の場合は、「自分の子どもならどうするか?」と置き換えて、目の前の患者さんの対応を決めるべきなのではと思います。ご自分のお子さんに蕁麻疹が広がり痒がって不機嫌な状態なら一刻も早く何とかして、二度と繰り返させたくないはずです。

こういう態度で丁寧に行うのが、患者さんの求めている“医療”ではないかと思っています。