小児科 すこやかアレルギークリニック

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靴ずれ
2009年05月29日 更新

アトピー性皮膚炎の診療には“慣れ”が必要なのかもしれません。

当院には、湿疹がよくならないと乳児から成人までの幅広い年齢層の患者さんが受診されます。ほとんどの患者さんが、既に医療機関で診察を受けています。

もちろんアトピーと診断されているケースもあるのですが、明らかなアトピーなのに、乳児湿疹や乾燥肌と診断されているケースがとても多いことに違和感を覚えます。診断自体は決して難しいことではないので、何故だろうという思いを常に感じています。

アトピーの皮疹は、年齢によって湿疹の見られる場所が異なります。乳児の場合は、ひじの内側やひざの裏側には見られにくいですが、幼児期以降はかなり増えてきます。患者さんによっては、手の甲や手のひら、足の裏、足首などが特に悪い方もいます。

先日受診された患者さんは、足首に古い湿疹と新しい湿疹が混在する状況で受診されました。ある医療機関を受診したそうですが、良くならないため、ホームページで検索して当院に辿り着きました。通院しても改善が思わしくなかったのですが、最終的な診断は“靴ずれ”だったそうです。親御さんは、それは違うと思い、当院に救いを求められた格好です。

と言いますのは、数年前にアトピーと診断されており、親御さん自身もアトピーだろうと考えていたところ、“靴ずれ”の診断にビックリされたそうです。

すねやひじなど他の部分にも盛り上がった湿疹があり、強い痒みを伴っていました。これは「痒疹」といって難治性の湿疹です。“靴ずれ”だけなら、他の部位にアトピー様の湿疹は出ないですよね。足首の部分はまだしも、この「痒疹」は専門医以外には難しいのではないかと思います。

ちょっと申し訳ないのですが、私はこれは“靴ずれ”ではないと説明しました。足首は色素沈着も残しており、この部分はゆっくり薄くなっていくであろうこと、新しい皮疹はステロイドで叩けば改善するであろうことをお話ししました。一方、「痒疹」は本の記載を示し、一般的に難治と言われていること、ステロイドをしっかりと塗るのが常套手段であることも説明しました。

患者さんが、医師から全く別のことを言われると混乱することでしょう。説明が理論的で無理がなく、ガイドラインでの治療方針を指し示すと納得のいく説明をした医師を信用すると思います。自分の専門分野で困っている患者さんに遭遇すると、自分の手で何とかしてあげたいと思います。

「痒疹」は普通の小児科が遭遇することはあまりないと思うので、分からなくても仕方ないと思います。治療も困難であろうと思います。これは“慣れ”の問題もあるのだと思います。それにしても、こういうケースは専門医に紹介して頂きたかったと強く思います。

私の場合は、専門分野以外で「これはよく分からないから、紹介状を書きますので、専門家に診てもらいましょう」と言って、患者さんから落胆されたり、大きく信用を失ったことはこれまでなかったように思います。変に引っ張って、患者さんの方から愛想を尽かされたりすることもあるでしょう。そうしないのが、良心的な対応だと思いますし、当院ではそう心掛けています。