小児科 すこやかアレルギークリニック

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見捨てないで
2009年05月26日 更新

当院は、ぜんそくの患者さんを大勢診ています。

年齢でいうと0歳から大人までです。基本として大人は診ないようにしています。以前もその理由は述べたと思いますが、大人のぜんそく患者さんが多く受診されると、当院が対応しなければならないような重症な子どもの診療ができなくなる可能性があるからです。

重症な子どものぜんそくは、小児科のアレルギー専門医でないと治療が難しいケースが多々あります。大人のぜんそくは呼吸器内科というプロに任せればいいので、ぜんそくのプロ同士が役割分担をすべきだと思っています。

診療中に「大人のぜんそくも診てもらえないですか?」と聞かれることもありますが、さきの理由を述べて「原則として、お断りしています」とお答えしています。

そう言っているのを、私が診ている中学生のお母さんが聞きつけたのでしょうか。先日「先生のところは、高校生になったら診てもらないのですか?」と質問がありました。「うちの子はここ(当院)がいいと言っているんですが」とも付け加えて下さいました。

ぜんそくは慢性の病気です。長期に渡り、発作を起こさないように病気をコントロールするのが治療のポイントです。ましてや、小学校高学年や中学生くらいになると、ぜんそくが治るかどうかの大事な時期です。発作を起こさないような、繊細で入念な対応が必要です。

この年代は、部活や塾など子どもさん自身も忙しくなるし、体力も付いてきて発作もあまり起こさなくなってきます。ついぜんそくという病気を甘く見てしまい、継続した治療ができなくなりがちです。そうこうしているうちに、いきなり重い発作を起こしてしまうこともあります。この時期こそ、継続した治療が求められるのです。

ぜんそくは以前は8割治ると言われていましたが、最近では5割と言われています。思春期こそ、専門医が患者さん本人ともしっかりと向かい合い、治療継続の重要性を話して聞かせるべきでしょう。

私の経験からすると「君のぜんそくを是非とも治したい」という熱い気持ちを伝えることが最も大切です。治療を続けることで症状が安定し、それによって発作による苦しさから解放されることを理解してもらうと、通院が習慣づくことが多いように思います。当院に通う思春期の患者さんは、お母さんから引っ張ってこられる子どもはあまりいないように思います。いくら子どもとは言っても、信頼関係が重要です。

ぜんそくの治療は、医師の専門、非専門によって治療がガラリと変わる可能性があります。以前、転勤族のお母さんが、引っ越しのたびにかかる小児科の治療方針が変わって困ったとこぼしていました。本来ならそんなことはあってはならないのです。先の不安がるお母さんに「見捨てませんよ。うちは大人でも診ているので、高校生になっても面倒みますよ。」と伝えました。

このお子さんは、一時治療をさぼったことがあり、私は叱ったことがあります。中には逆ギレして「こんな医者、二度と来るか」なんて方もいらっしゃるかもしれませんが、自分としてはそれなりに愛情を込めて注意したつもりです。それからはキチンと定期的に通院してくれています。もちろん、発作もここ最近はなく、症状は安定しています。

彼が高校生になっても、地元にいる限りは面倒をみようと考えていますし、彼の期待を裏切ってならないと思っています。