私は開業前は、柏崎市の病院に勤務していました。
柏崎市は、今いる上越市から40キロ離れたところにあります。当時からアレルギーにこだわって医療をしていたつもりですが、柏崎市内はもちろんのこと、上越市、妙高市、糸魚川市などから患者さんが私の元に通院して下さっていました。初診の患者さんにたっぷり30分かけて、病気の説明や治療方針などを熱く語っていたものです。
私が上越に移った後も、いまだに多くの患者さんが柏崎市から通院して下さっています。ちょっと驚いたことに、私が柏崎市にいる頃に一度も診たことのない患者さん、例えば私が上越に移ってきた後に生まれたような乳児の患者さんも当院を頼って受診して下さっています。
この3月に、その柏崎市から重症のアトピーの赤ちゃんが当院を初めて受診されました。地元の小児科や皮膚科に通院しても改善せず、隣の大きな街の皮膚科医院で治療しても思わしくなかったので、当院を選んで下さったようです。顔に重症な湿疹があり、やはり顔というところは最初に目のいくところですので、親御さんも相当気にされていたし、周囲もそのお子さんの湿疹をハッキリと認識されていました。
この患者さんは、どういう訳かアトピー性皮膚炎とは診断されていませんでした。いつも言っている通り、過小治療のために皮膚症状が改善されていませんでした。それらの点をキチンと理解して頂き、治療させて頂いたら1週間後にはものの見事に改善していました。その後も安定した状態を継続しています。
それ以来、お母さんの複数のママ友達から「子どもの皮膚はどこで治療を受けているの?。紹介して。」とメールが来るそうです。アトピー性皮膚炎は決して稀な病気ではなく、適切に診断されずに皮疹が治らないで困っているお子さんがとても多いことを象徴しているように思えてなりません。
当院は開院時に予算の関係もあり、電話帳にしか広告を載せていません。野立て看板や電柱用の小さな看板も一枚も出していません。医院のすぐ近くに誘導看板さえも立てていません。
よく企業などの宣伝に知名度の高い芸能人が使われることがありますが、当院では患者さんが“広告塔”の役割をして下さっているようです。メディアに多くの広告費、宣伝費を払っている医院もありますが、欲を出さなければ真面目に誠意を持って医療しているだけで充分宣伝効果はあると思っています。
患者さんにとっては、多少離れていても情熱を持って治療してくれて、その結果として症状が改善されれば、医師は誰でもいいのが本音ではないかと思うのです。これからも、患者さんから選ばれるような医療を提供できるよう努力をしていきたいと思っています。


