私がアレルギーにこだわっているように、小児医はだいたい専門を持っています。中には持っていない先生もいます。
小児科は分野が広く、いろんな小児科医がいろいろな分野に興味を持ち、こだわって診療をしています。好きこそものの上手なれと言いますか、やはりその道の専門家にはかなわないと思うのです。
当院の場合は、アレルギーで困っている患者さんが治療してもよくならないと当院を目指して受診されるケースが多いので、キチンと病態を説明して何とか症状を改善させたいと思っています。
この分野に関しては、「プロ」としてのプライドも持っているつもりです。専門施設で重症患者さんの治療を学ばせて頂きましたので、それなりに重症のアレルギーの患者さんにも対応してきましたし、症状も改善させてきたのではなかと思っています。ちょっと大袈裟な言い方かもしれませんが“最後の砦”のつもりで診療しています。
逆に自分の専門分野以外のことは、小児科医として17年のキャリアを活かしてそれなりに自分で対応しているつもりですが、判断が難しい場合は「自分で背伸びをして診るよりは、その道の専門医にお任せした方がいいだろう」いう気持ちになります。それは自分と他の先生との客観的な実力の差を理解できているからだと思います。だから、難しいケースを抱え込んではいけないし、そうすることは患者さんにとって失礼なことだと思うのです。
当院で診ているアレルギーの患者さんで、お母さんが発達の遅れを心配されているケースがありました。発達と言えば、小児神経を専門にしている先生がより深く勉強されています。発達に遅れがみられる場合は、「様子をみましょう」ではいけないと思います。お子さんに“どう接し、どう刺激するか”を理解することが大切だと思うのです。その後に大きな影響を及ぼしかねないからです。その指導は、普通の小児科医には難しいことだと思いました。そこで私は小児神経の専門医の先生に紹介し、判断を仰ごうと思ったのです。
しばらくして当院を受診された時にお母さんに「何て言われましたか?」と聞いたところ、「1時間、熱く語って頂きました」と安堵した表情でその時の状況を話して下さいました。
その先生もやはり「こういう患者さんは自分が診ずに誰が対応するんだ」という気持ちはあったと思います。でなければ1時間も語り続けることはできません。水を得た魚のごとく、まさに熱く語って下さったのだと思います。こんな真似は、普通は難しいでしょう。お母さんも専門医に診てもらい、満足そうでした。
私は“こだわり”を持って仕事をすることって素敵だと思います。当然、情熱がなければ、そんな風にはできないと思います。そうした場合、重症になればなるほど、医師のこだわりや知識の差で、対応や治療に明確な差が出てしまうことを患者さんにはご理解頂きたいと思っています。
私を頼ってくれる重症なアレルギーのお子さんには、“熱く語りたい”と思っています。


