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こどもの日
2009年05月06日 更新

5日はこどもの日でした。

普段子どもばかり診ている小児科医にとっても、思い入れのある日と言っていいでしょう。しかし、その反面で憂鬱な気にもなってしまいます。

敬老に日には、65歳以上の人の数が過去最多と報道がなされます。5日には子どもの数に関するニュースが流れ、28年間連続で子どもの数が減っていると伝えていました。子どもの数が少ないということは、その子どもがいずれ親になって子が生まれる訳ですが、更に数が減ることになります。小児科医にとっては厳しい現実と言っていいでしょう。

街角で医院の看板をよく目にします。「内科・小児科」とよく見ますが、「小児科・内科」とは見かけません。何故でしょう?。前者は内科の先生が、子どもの病気もある程度は対応しますという意味です。内科の先生が全ての子どもの病気を診れるのであれば、小児科医は必要なくなりますから。一方後者は、小児科医は基本的に子どもしか診ませんから、内科の特に老人の病気はまず対応できないと思います。

ちまたでは、小児科医不足が言われていますが、勤務医が減っているのであって、開業医は増えています。かく言う私も開業医の一人です。

要するに、子どもの数が減っていて、開業医が増えているとなると、変な言い方になってしまいますが、患者の争奪戦になりかねません。実際に当院で診ているアトピーのお子さんの自宅に他の医療機関から乳児健診を受けるように4回も電話があったそうです。患者サービスというよりは、「営業」なんだろうと思っています。

本来、医師は持てる技術を売るものだと私は考えています。営業ではなく、患者さんが困っている症状をいち早くなくす努力をすべきなのです。

熱が出たりすると筋力低下の見られるお子さんが、以前のかかりつけから「風邪のせいだ」と説明を受けていたという話を聞きました。親御さんはそれを信じていましたが、純粋に風邪では筋力低下は絶対に起きません。その後、当院にかかるようになり、同様の症状が出た時に神経の専門の先生に紹介状を書いたのは言うまでもありません。また、たんぱく尿が出たのを「疲れのせいだ」と説明されたいた患者さんがいましたが、疲れでは尿にたんぱくは混じらないと思います。

子どもの数が減ってくると、紹介せずに自分のところに抱え込んでしまうこともあるかもしれません。小児科医は子どものあらゆる病気に対応しなければなりませんが、現実問題として不可能です。診断や治療に限界を感じたら、ためらわずによりベストな医療のできる医師に紹介するのが良心的な対応だと私は考えています。

少子化で、親御さんは少ない子どもを大切に育てようとするでしょう。これからは子を思う親御さんの気持ちになって、よく説明し、誠意を持った対応が求められる時代が来ると思います。

当院で行っている一風変わった対応があります。いわゆる風邪や胃腸炎はじきに治ってしまいます。大抵の医療機関では3日など数日後に診せにくるように言われると思います。治ると分かっていて、しかも治っても診せにいくのは、お母さんにとっては結構大変なことだと思うのです。当院はただでさえ待ち時間が長いので、「治ったら診せにこなくていいよ」と言っています。これってお互いにとって合理的だと考えています。ただし、熱が続いたりと治りが思わしくないこともあるかもしれません。「治らなかったら、早めに教えてね」と付け加えています。個人的には、周囲に流行らせたい対応だと思っています。

私は、病気のことは医者に全てを任せておけばいいという時代は終わったと考えています。今後は、親御さんも小児科医を見る目を養わなければならないと思います。小児科医の方も日頃から勉強し、患者さんから選ばれるためにはどうすべきかを考えながら診療をしなければならないと思っています。