小児科 すこやかアレルギークリニック

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原因を究明するために
2009年03月03日 更新

医師は、病気のプロであるはずです。

私はいつも「診断が正確でなければ、治療はできない」と言っています。これって当たり前のことだと思いませんか?。

かと言って、医師も人の子。これだけ医学が進歩し細分化されてしまうと、すべての病気に関して深く、幅広く知識を持つことは現実問題として不可能でしょう。分からないものは「分からない」と答えることが、良心的な対応だと思いますし、「○○先生なら専門だから、より上手に対応できると思いますので紹介状を書きます」と言えば、患者さんに対して責任を果たしたと言えると思います。

ここでひとつ例を出しましょう。申し訳ないですが、少し前にあった実例を挙げさせて頂きます。

先日、アナフィラキシー症状の患者さんが当院を受診されました。その前に受診したある医院で相談したところ、食物アレルギーを疑ったようです。アレルギー検査をして検査が陰性だったこともあり、「食物アレルギーではない」と説明があったそうです。それで終わりだったということです。

患者さんは、蕁麻疹や息苦しさ、血圧が低下してフラフラするという強い症状がありました。命に関わるような重い病態でした。その原因は何だろうと期待して医療機関を受診したのです。食物アレルギーを疑って検査したまではいいのですが、予想がはずれた場合、本当なら別の答を出さなければならなかったはずです。分からなければ、専門医に相談するのが筋だったと思います。

その患者さんは、いま当院に通院されています。かなり珍しい病気と判断されました。治療を開始し、以前よりは症状が改善してきています。この病気は私も知識としてはありましたが、実際に診たことはなく、一般の小児科の先生は病名も知らない先生もいると思います。診断はできなくても恥じることはないと思います。

こういう重症な患者さんこそ、紹介して頂くのが患者さんのためになると思うのです。というかこの患者さんの場合、放置することは危険ですらあります。小児科医なら、同業者の専門分野を知っていますから、患者さんが専門医を捜すよりは、苦もなく紹介することはできるはずです。

患者さんや親御さんの気持ちを考えると、分からないことを「分からない」とキチンと答える方が誠実だと私は思います。そして、そのままにしておくのが最も失礼であって、「これでよくならなければ耳鼻科を受診したらどうですか?」とか「早めに皮膚科にいって下さい」と速やかに交通整理をしたり、紹介状を書くのも小児科医の役目だと思っています。

当院はアレルギーにこだわっています。食物アレルギーに力を入れているので、県外でも少ないであろう開業医で外来の「食物負荷試験」を行っています。「うちの子は卵はどれくらい食べられますか?」と質問されたら、血液検査では詳しいことは分かりません。結局「食物負荷試験」を行うしか、答えを出す方法はありません。

特に専門分野に関しては、私がアレルギー専門医であるという認識が地元で広まってきているようですから、ファイナルアンサーを出すために、時間や手間のかかる「食物負荷試験」を行っています。他施設にかかっている患者さんであっても、食物アレルギーで受診した場合、プロの技術を駆使して“正しい答え”を出そうとしています。

自分のできることと、できないことをキチンと分けて、自分の実力の中で診療し、できないと思えば専門医に紹介する姿勢が大切なのだと思います。それが原因を究明する方法だと考えています。