小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

食物アレルギーの怖さ
2009年02月24日 更新

以前、卵アレルギーがあったとおっしゃる患者さんが当院を受診されました。

話をよく聞いてみると、卵焼きを食べても何ともないということでした。別件での受診でしたので、食物アレルギーに関しては、もう解決済みと考えられました。確かに生や半熟の場合はまだ分かりませんが、まだ幼児であり、しっかり火を通せば日常生活では問題ないだろうと思ったからです。

しかし、先日身体の広い部分にじんましんができた状態で、当院を緊急受診されました。話を聞いてみると、卵を入れたおじやを食べて間もなく、じんましんが広がってきたそうです。

来院時には、顔から首、身体、手足にも蚊に刺されたような盛り上がりのある典型的なじんましんが認められました。本人もあまりの痒みに機嫌が悪く、見るだけで痛々しく、とても気の毒でした。

何故こんなことが起きてしまったのか、再発を防ぐために原因を究明しないといけません。

まず頭に浮かんだのは、食べた卵が火が通っていなかったのではないかということです。しかし、お母さんに聞いても「火を通した」とおっしゃいます。私の最初の印象は、一部が火の通りが悪く半熟だったのではないかと考えていました。

しかし、別の考えが頭をよぎりました。実は、数日前に胃腸炎症状で当院を受診されていました。以前、胃腸炎を契機に食物アレルギーが悪化したという報告を耳にしたことがあります。このお子さんも胃腸炎が治ったばかりのところで、急に食欲が出て、今回卵を入れたおじやをパクパク食べたということでした。もしかしたら、今回の胃腸炎で消化機能が落ちたところで、多めのアレルゲンが入ってしまい、強い症状を起こしたのではないかと推測されました。

もともと子どもの食物アレルギーは、消化機能と腸管の免疫機能の未熟性に起因すると言われています。このお子さんの場合、加熱した卵を“体調のいい時”なら食べられるのに、多分ギリギリ食べられている状態だったのでしょう。“体調の悪い時”には限界点を超えてしまったのだろうと推測しています。

体調の良し悪しで、こんなに反応が異なるのだと私自身認識を新たにしています。もちろん、卵アレルギーの患者さんの多くは、こんなことはありません。卵などのアレルゲンを食べられることを「耐性の獲得」といいますが、余裕で耐性を獲得していれば、胃腸炎になったところでこういった症状は見られないと思います。予想するにギリギリで耐性を得た状況だったので、今回強い症状が出てしまったのでしょう。

普段、卵焼きを食べているお子さんが、同じ卵入りの料理を食べて症状が強めに出るのはどう考えてもおかしい。そこから考えて、こう考察しました。起きてしまったことは仕方ないけれど、二度と患者さんに辛い思いはして欲しくありません。この患者さんには、胃腸炎と時には卵料理に注意するように指導しました。

もし出先で具合が悪くなれば、親御さんはどこを受診していいか途方に暮れたことでしょう。食物アレルギーは奥が深いし、「怖さ」を実感しました。こういう経験を元に、患者さんにより適切な指導ができるように努力していきたいと考えています。