小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

こんなに変わった
2008年11月29日 更新

当院では、重症なアトピー生皮膚炎の高校生を診ています。その妹さんはアトピーはないものの、ゼーゼーいいやすく、ぜんそくという診断である小児科で治療を受けていたそうです。

お兄ちゃんの診察の時に、「実は妹がぜんそくで…」という話になりました。話を聞いて、治療不足の可能性があると思いました。私を頼って下されば治療させて頂きたいと思っていました。しかし、お母さんはずっと診てもらっていた小児科で続けて診てもらうかどうか、躊躇していました。

妹さんはまだ8歳ですが、「私、お兄ちゃんの病院で診て欲しい」という本人の言葉が決め手となり、それからずっと当院で治療をさせて頂いています。

治療を病状に見合ったものに換えたところ、症状が落ち着いてきてお母さんもビックリされていました。これまでは、発作が起きてからの治療が繰り返されていたので、発作を起こしやすいクセが付いてしまっていたのです。

いつも言っている通り、軽くはないぜんそく患者さんは“予防”をしなければいけないのです。その予防も、適切な薬が選ばれないと時折発作を起こしてしまいます。結果的にも適切な薬が選択されていたからこそ、症状が改善したのだろうと思います。というか、それができなければ「専門医」とは言えないのです。

ある日の診察のこと、普段はお兄ちゃんにくっついて診察室に入ってきて、言葉少なにしている妹さんが、何かいつもと様子が違います。スタスタと診察用の椅子に座り、「私、マラソンで8位になった」と明るい表情で私に話しかけたのです。その積極的な態度に、つい私もビックリしてしまいました。

お母さんに確認すると33人中の8位だそうです。普段は運動誘発ぜんそくのせいで、過去のマラソン大会では咳き込みが強く、まともに走れなかったそうです。それが自分でも驚きの8位だったのです。それはいつもとは本当に違う自信に満ちたような明るい顔つきでした。

お母さんは、「この子がこんなに速く走れるとは思わなかった」とやや興奮気味に話しています。私に対して、「お陰さまでこんなに調子がいい」と感謝の言葉を口にして下さいました。患者さんはまだ幼いのですが、診察室に呼ばれるやいなや、「私、マラソンで8位になった」と彼女なり私に感謝の思いを伝えたのだろうとあとで気付き、胸が熱くなりました。

ぜんそくの治療が適切に行われておらず、運動誘発ぜんそくが起きやすくなっており、本来の運動能力を発揮できていないお子さんは、他にもまだまだいるのだと思います。もしかしたら、ぜんそく発作を繰り返して、楽しい行事に参加できなかったりして、積極的になりきれていないお子さんもいるのかもしれません。

アレルギーは慢性の病気なので、ほんの一時の我慢ではないのです。お子さんの精神面にも大きな影響を及し得るのです。上手に治療し、各々の患者さんの持つ良い部分をスクスクと成長させるのも我々小児科医の役目だと思っています。