当院には、食物アレルギーの患者さんがたくさん受診して下さいます。
この時期は、どの医療機関もインフルエンザのワクチンで多忙を極めていると思います。インフルエンザと麻疹のワクチンの際に、必ずと言っていい程取りざたされるのは、卵アレルギーだと思います。
食物アレルギーの患者さんは、ぜんそくやアトピーを合併していることが多く、これらの病気はインフルエンザにかかってしまうと、悪化する可能性が高いので予防接種の必要性があります。当院では毎日のように、「卵アレルギーがあるんだけれど、インフルエンザのワクチンを打っていいですか?」と聞かれます。
一般的に言われているのは、卵製品を食べてアレルギー症状が出たり、アレルギー検査で卵白の値が「6」の場合は、注意しなければならない、とされています。
先日、受診された卵アレルギーの患者さんは、「この子、打てますか?。去年は、前の主治医から『卵アレルギーがあるから、打てない』と言われたんですけど。」と聞かれました。この患者さんの卵白の値は「5」でした。別に打てない訳ではないし、打てるかどうかハッキリさせる方法として“皮内テスト”という方法があります。患者さんがワクチンを希望されているのだから、簡単に「打てない」で済ませるのではなく、もうちょっと真剣に打てる方法を画策してあげても良かったのではないかと思うのです。
確かに、医師も強行して強いアレルギー症状を起こしてもらっても困ると思います。医師は自分のやった医療行為に対して責任を取らなければなりません。想定外の反応が出ることもあるかもしれないので、“怖さ”はあるでしょう。昨年の秋なら当院も開院していました。専門の医者に紹介するなどの方法を取っても良かったのではないかと思うのです。医師同士は、誰が何の専門かを認識しているはずなのです。それが患者さんのニーズに応えることだし、我々小児科医の役目は、時には協力しながら地域のこどもの健康を守ることだと思うのです。
当院も先月中旬からインフルエンザワクチンの接種を開始して、卵白が「6」の患者さんに何人かに接種を行い、無事に完了しています。検査の値が「6」でなくても、重篤なアレルギー症状を起こし得ますが、これまで何人も重症な卵アレルギーの患者さんにも“皮内テスト”をして、安全にワクチンを打ってきました。私なりに患者さんの期待に応えてきたつもりです。私のこれまで経験では、一人も接種を拒んだことはないのです。
先の患者さんは、今年から当院で診ていますので、今年は当院で接種することになります。「“皮内テスト”という方法があり、重症な卵アレルギーの患者さんでもかなりの確率で打てます」と説明しました。お母さんも私の話にホッとされたようです。
卵アレルギーでワクチンの接種に不安がある場合は、何とかしたいと思いますので紹介して頂きたいと思っています。主治医から打てないと言われた患者さんも、接種をご希望でしたらご相談ください。


