先日、日本小児アレルギー学会から分厚い学会誌が送られてきました。
普段の学会誌は、さほど厚くないのですが、例年秋に出る号は厚いのです。それは毎年11月か12月に日本小児アレルギー学会が開催され、それに関する特集が組まれるので、ボリュームが増えるのです。
学会本番では、海外からも有名なアレルギーの専門家が招待され、レクチャーをして下さいます。また日本の第一人者とされる先生方がアレルギーの最新情報を伝授して下さいます。それとは別に一般演題といって、小児アレルギーにこだわっている小児科医が研究や臨床の成果を発表する場もあるのです。
学会に行って話を聞くだけでも、相当勉強になるのですが、せっかく勤務を休んで行くのなら、自分の研究結果を発表してこようと思い、私は平成14年から毎年発表を続けています。今年で7年連続、8演題を出しています。
学会発表の準備には、かなりの手間と時間を要します。内容も一定のレベルを超えていなければ、発表も許されません。聴衆の先生方にも勉強になるような内容でなければなりません。となると、一線級のレベルをキープするためにも、日頃から勉強しなければなりません。
2年前まで私は“勤務医”でした。“開業医”よりは、研究の時間もありました。複数の小児科医がいるから、自分の時間が多少は取れるのです。しかし、昨年も立場は開業医でしたが、何とか準備を済ませ研究の成果を発表してきました。
今回送られてきた学会誌を見ると、一般演題は124件あり、そのほとんどが大学病院や大きな病院の先生です。“開業医”は、数えてみたら10人程度でした。今回、たまたま出されていない先生もいらっしゃるでしょうが、研究の成果を発表している開業医は、全国規模の学会でほんの一握りということになります。その中に自分が毎年のように含まれていることに関し、自分が少しは頑張っているのかなという気持ちは持っています。
医学書を読んでも、実践力は身に付かないと思います。医師によって目指すものは違うのかもしれませんが、「一般診療で忙しくて学会にはなかなか行けない」と言うのは、技術を売る医師の姿勢としては正しくないのではないかと個人的には思っています。ちなみに、この学会で新潟県内の小児科医の発表は、私を入れて2人だけだと思います。
患者さんが受診しやすい開業医こそが、新しい情報を仕入れていなければならないと、私は繰り返し言っています。小児科医が診る頻度の最も高い感染症の治療法は以前と比べ、大きな変化はないように思います。一方、それに次いで多いアレルギーはかなり変わってきています。ということは、日頃の努力の差が大きな技術の差を生むと思っています。「アレルギー科」を標榜しているのに、学会で顔を見たことのない先生が少なくないですし、そのせいか未だに10年前に主流だった治療をやっておられる先生も存在します。
当院にはそれが許されないことは分かっています。一般的には“開業医”は格下で、“病院”の方がレベルの高い医療をしてもらえると考えていらっしゃる患者さんも多いとは思いますが、医療機器などの設備の差を除くと医師の努力次第だと思います。私は、“開業医”でも専門病院並みのレベルの医療をやればできるという信念は持っています。
学会の日は休診にせざるを得ませんが、これも患者さんのためでもあります。当院は、学問的に正しいことをやっていく医院であり続けたいと思っておりますので、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。


