最近、朝晩はめっきり過ごしやすくなり、体調を崩すお子さんも多いようです。
中には、熱が出て、のどを痛そうにしていると受診されることがあります。のどを診ると、口内炎のようなブツブツが幾つもできている子もいます。小児科医なら「ヘルパンギーナ」と診断します。秋めいてきたのに、ヘルパンギーナのような夏風邪もまだ見られているのです。
今日受診したお子さんも、典型的なヘルパンギーナでした。のどが痛そうでしたが、熱も下がっており、痛みのピークは過ぎているようです。ヘルパンギーナはウィルス感染なので、“抗生剤”が効きません。特効薬もありません。抗生剤を出す医師もいるでしょうが、私は必要ないと思われる薬は出さない方針です。
お母さんに「自然に症状は消えるので、薬は出しません」と説明しました。そうしたら「うれしい」とお母さんは答えられました。前に風邪などでかかったところでは、何種類も薬を出されたそうです。種類の多さに、「咳は出ていないので、咳止めはいりません」とお母さんが医師に伝えると、「まあ、そういわず持っていって下さい」と答えたそうです。
咳が出そうなので“良心的”に処方したのかどうか定かではなく、説明もなかったそうです。小児科医なら、必要のある薬を必要な期間飲ませ、改善したら中止し、必要がなければ飲ませないのが、良心的だと私は思っています。
食物アレルギーの患者さんにインタールやザジテンなどの抗アレルギー薬を処方し続けるケースがありますが、私はどの食品がアレルギーを起こすのか特定すれば、それを除去すればいいので、何も毎日のように薬を飲み続けることはないだろうと思っています。
ぜんそくが重ければ、予防的治療が必要となり、定期的に通院して頂いています。アトピーも同様です。中には定期的に通院が必要なのに、発作の度に咳き込みが軽減すれば終わりなんてお子さんもいますが、こういう子は治療不足のために、発作を繰り返してしまうのです。重症度をキチンと見極め、予防の必要な患者さんに薬を出さないのは、適切な治療とは言えないのです。
やはり患者さんによりケースバイケースで、薬を出さないのも、出し続けるのも良心的な医療なんだと思います。いずれにしても、病態を突き止め、患者さんのために必要な治療を行うべきしょう。そのためには、時間をかけてキチンと説明して患者さんに納得して頂く姿勢が大切なんだろうと思っています。


