小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

見直し
2008年08月29日 更新

先日、高校生が当院を受診されました。

これまでぜんそくの治療を受けてきましたが、改善が思わしくなく、大学受験を控えているため、症状改善を求めて受診されました。

ぜんそくは、3歳までに8割が発症する幼児に多いアレルギーの病気です。しかし、例外的に年長になってから発症したそうです。ぜんそくは低年齢で発症して、思春期前に症状が出なくなってくれば、治癒も期待できます。この患者さんの場合は、年齢が長じてから発症されていますので、より慎重に診ていく必要があります。

これまでの治療は、本体を押すと霧状の薬がシュッと出るタイプの吸入ステロイド薬でした。ぜんそくの治療は、気管支で起きている炎症を抑えることが重要とされており、最近のお勧めの薬です。しかし、何故か症状が安定していませんでした。当院で吸入ステロイドを使っている患者さんで、症状の安定していない患者さんはまずいません。吸入ステロイドを使っていることで、あとはどうしようもない、様子をみるしかないと思っている先生もいるようですが、こういう場合は、なぜ良くならないのか考えなくてはいけないのです。

昨日のこともそうですが、最初に診て「アトピーではない」と考えたらそれはそれでいいのです。しかし、「じきに治る」と言っていて、経過の中でそうならなかった場合は考えを変える必要があると思っています。治療して良くならなければ、見落としがあるのかもしれません。本当はぜんそくなのに、“風邪”やマイコプラズマと診断して長期間、同じ薬を出し続けるのは考えものです。患者さんのために、冷静になって「見直し」をする態度が必要なのです。

重症患者さんは、吸入ステロイドを使っていても薬の使う量が足りない場合は、症状の治まりが悪いことがあります。実際に、小児ぜんそくの治療管理ガイドラインでは重症患者ほど、吸入ステロイドの使用量の設定が増えています。いずれにしても、その患者さんの重症度をキチンと判定していないと、薬の量が足りないなんてことが起こりうるのです。

吸入治療で、一瞬でシュッと出る薬を息を吸うのに同調させて薬を吸うというやり方は、最近はやりません。スペーサーといって、器具の中に噴霧した薬をゆっくり肺の中に吸い込むのです。そうした方が吸入の効率が上がります。実はこの患者さんには、スペーサーは使われていませんでした。もしかしたら、一生懸命吸入している割に、上手く吸えていなかったのかもしれません。お勧めの薬を使っているのに、改善がイマイチならこういうことが理由でないかどうかも考えなければならないと思います。

慢性の病気は、日頃の症状を抑えなければ、治療は成功しません。主治医として患者さんに信用されたのなら、症状を安定させることで、患者さんの信頼に応えなければならないと思っています。この患者さんの場合は、上記の2つのどちらかが原因で、そこを見直して治療すれば、改善するものと思われます。それもやってみないと分かりませんが、これまで重症患者さんをたくさん診てきましたので、そうすれば良くなると思っています。

当院を初診される患者さんで、治療の見直しで症状が大幅に改善している患者さんは少なくありません。治療しても症状がよくなっていなければ、専門的な対応が必要だと思われます。時々発作を起こすお子さんは、大人にぜんそくを持ち越す可能性があります。ご心配な方は当院にご相談下さい。