最近は、4年に一度の祭典での日本人選手の活躍に注目しています。
女子レスリングはまだ始まっていませんが、タイトルは浜口京子選手の父がよく叫んでる台詞です。ご存知ですよね。スポーツは“気合い”だけではどうにもならない部分もあるのかもしれません。才能も必要でしょう。
実際の診療において、私は“気合い”は必要だと思っています。「医学」と「気合い」って相容れないと思われるかもしれませんが、そんなことはないのです。
いつも言っていることですが、ぜんそくなのに“風邪”、アトピーなのに“乳児湿疹”“乾燥肌”と診断されているケースをよく目にします。かかりつけ医のところに通っていて、良くならないために不満に思って当院を受診されるパターンも多いので、尚更そう感じるのかもしれません。
いずれにしても、ぜんそくに風邪薬は通用しません。アトピーを乾燥肌と診断され治療を受けている場合も、治療不足に陥ります。つまり病状に合った治療がなされていないと、親御さんが一生懸命通院しても、改善が思わしくないということになります。
よく、「風邪を引くと咳が長引いて、何度も通院しないと症状が改善しない」とおっしゃるお母さんがいます。“気合い”を入れて、過去の咳の症状を詳しく聞いたり、丁寧に診察をするとぜんそくという診断に至ることがあります。その場合は、当然ぜんそくの治療を行わせて頂きます。そうすると数日で改善してきます。こういうケースは、私の経験上、風邪薬はまず効かないと思います。
お父さん、お母さんは、咳が長引かない方が多いと思います。1週間も咳が長引くことは、まずないでしょう?。咳が長引く場合は“風邪”ではないんじゃないかと考えて欲しいのです。そうしないと更に咳の長引くクセがついてしまうのです。
ある患者さんで、体調を崩した時に腕や足の筋力が落ちるという訴えがあるにもかかわらず、前医に相談したところ「風邪のせいだ」と言われたそうです。私の知る限り、風邪ではそういう症状は出ないと思います。
「風邪」で熱が長引いたり、咳が出たり、のどが痛くなったり、吐いたりすることもあります。確かに「風邪」が体調不良を起こす引き金になることは多いのも事実です。とても“便利”な病名だと思います。しかし、咳が長期に渡って続くことはないと思います。
親御さんも“風邪”と言われてホッとする部分はあるでしょうが、治らなければ“風邪”ではないんではないかと考えて頂きたいと思っています。医師も治りが悪ければ「なぜ良くならないのだろう」と冷静に考えるべきであろうと思っています。そうしなければ、患者さんの期待に応えていないことになるからです。
私が心掛けていることは、どうしたら最短距離で患者さんの症状を和らげることができるかということです。良くならなければ、見落としがあるはずです。それを見極めるためには、時間をかけて、そして誠実に患者さんの訴えに耳を傾けることだと思います。治らないから通院している訳で、次の患者さんが待っているから診察を早く切り上げるのは、理由にはならないと思います。医師を「プロ」として患者さんは頼ってくれているのだし、治りの悪い重症の患者さんに、本物の「風邪」と同じようにあっという間の診察で事が足りるとは思えませんよね。
医療には、患者さんを何とかしたいという「気合い」はやっぱり必要だと思っています。


