小児科 すこやかアレルギークリニック

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その言葉を待っていた
2008年07月26日 更新

先日、お子さんの皮膚症状でお悩みのお母さんが受診されました。

生後2か月くらいから顔に湿疹が出始め、ジクジクもひどかったそうです。しばらくするとジクジクは改善してきたものの、今度はカサカサしてかゆみが更に強くなってきたということでした。当時住んでいたN市の某科を受診したら、「アトピーの一歩手前の手前の手前」という説明を受けたそうです。この説明で、よく分かりますか?。

その後、N市の他の施設を受診されたり、上越に引っ越してきて、こちらの医療機関をいくつか受診されたそうですが、アトピーと言われたこともあったようですが、納得のいく診断や治療はなされなかったようです。いつも言っているように、医学は科学です。なぜ医療機関によって「診断」が異なるのでしょうか?。「治療」もまちまちで、皮膚症状はなかなか改善しなかったそうです。

お母さんは、前医で“アトピー”と診断して欲しいような欲しくないような気持ちだったようですが、どっちつかずなことを言われたために、当院を受診されたそうです。

申し訳ないのですが、問診と診察の結果、典型的でしたのでアトピー性皮膚炎と診断しました。その根拠もアトピーのガイドラインを示しながら、説明しました。お母さんの最初の言葉は「残念だけど、その言葉を待っていたんです。診断してくれて、ありがとうございます。」というものでした。

お子さんの体中を掻きむしる症状を改善させて、喜ばれるのなら分かるのですが、診断しただけでこんなに感謝されることは、あまり経験がありません。よほどお悩みだったのでしょう。アトピーは3歳くらいで12%ほどの頻度で見つかるようなありふれた病気なのに、なぜこんな混乱が起こるのかよく分かりません。

診断は納得して頂けましたので、なぜ良くならないのか、どう治療したらいいのかをお話ししました。私の見解は、治療が重症度に合っていませんでした。重症ですので、キチンと治療しないといけなかったのです。

私の経験からして、来週の受診時にはかなり改善しているはずです。そういう治療を選択しました。アトピーは慢性の病気ですので、皮膚症状を改善させなければ意味がありません。アトピーの治療の基本は、いい状態を作り、それを安定させることが重要だからです。

私は、小児アレルギーについて全般をこだわって勉強してきたつもりですので、次回までに良くなっている自信はもちろんあります。大勢を治療していると、だいたい1週間後の皮膚の状態が目に浮かびます。もし良くならなければ、なぜ良くならないかを考えて、その対策を立てれば、その次には改善するはずなのです。

全部で20~30分は話したでしょうか?。「もっと早く来ればよかった」と言われました。その言葉を聞いて、一部の治療の難しい患者さんもいますが、私が対応することで、お母さんの気持ちを楽にできる患者さんはまだまだたくさんいると思いました。

小児科医の醍醐味は、困っている患者さんの話をよく聞き、全力を挙げて診断し治療することだと思います。こどもは「病気を治してくれてありがとう」とは言いませんが、こどもと母の笑顔だけで充分です。アトピーなどの慢性疾患ほど、医師の説明や指導の差が出ると思います。当然、治療や症状の改善にまで違いが出てきます。

夏はアトピーが悪化しやすい時期でもあります。なかなか改善しないようでしたら、お子さんの夏休み期間中に受診して下さい。もっともっと、ぜんそく、アトピー、食物アレルギー、じんましん等のアレルギーでお困りのこども達の力になりたい、初診の患者さんの診察をする度にそういう思いを強くしています。