小児科 すこやかアレルギークリニック

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何のための治療?
2008年07月23日 更新

最近、外来で「えっ、ちょっと待ってよ」というような話を聞きました。

梅雨も明けて夏本番。これだけ暑いと、こども達はプールで水遊びを楽しみたいと思うのです。ところが「薬を飲んでいる人は、プールには入れません。」という方針の園があるというのです。

表面的に捉えると、確からしく思えます。薬を飲むくらいの体調の悪い子は、水遊びで身体を冷やして、風邪が重くなってしまったら困ります。

当院は、ぜんそくの患者さんを多く診ています。ぜんそくのお子さんは、何気ない刺激で咳が誘発されてしまいます。運動でさえも刺激になってしまうのです。これを「運動誘発ぜんそく」といいますが、激しく騒ぐとゼーゼーや咳込みが見られるのです。こういう症状は、薬で抑えてあげないといけないのです。

ぜんそくの薬は、2種類あるのをご存知でしょうか?。咳がひどく、日常生活に差し支えるので「治療」する薬の他に、咳を出ないクセをつけるための「予防」の薬もあるのです。咳の出やすいお子さんは、咳が安定するまでしばらく服用し続ける必要があるのです。

確かに前者の体調の悪い時に、水遊びを禁ずるのは分かりますが、後者の時は薬さえ服用していれば、他のお子さんと何ら変わることはないのです。水遊びをしても、咳が悪化することもまずありません。“他の子と同じことができるよう”に治療しているのに、このような子にもプールを禁ずるのはおかしいと思うのです。

上越はアレルギーの専門医がいなかったので、ぜんそくを“慢性”の病気と捉え、予防する医療が一部の患者さんにしか行われていなかったように思います。ですから園関係者の皆さんも、こういった予防的治療をご存知ないのも仕方ないのかもしれません。予防が必要なのに、症状の悪化する度に、点滴や吸入を繰り返されている患者さんも見受けられます。実は、こういうお子さんを予防治療してあげないと、入退院を繰り返してしまうのです。

ぜんそくは、咳という症状を繰り返してドンドン重くなる病気です。咳を繰り返すお子さんに予防的治療を行うと、お母さんは「これまでいかに咳が頻繁に出ていたかがよく分かる」と口を揃えておっしゃいます。

園関係者の皆さんにお願いしたいことは、ぜんそくのこと、治療のことをもう少し理解して頂き、少なくとも予防治療しているお子さんには、他の子と同じように行動させてあげて頂きたいのです。小さい頃にあれもこれも制限してしまうと、お子さんが消極的に育つ可能性が示唆されています。

当院は、アレルギーの患者さんにはこだわって治療していますが、重いぜんそくでも、アトピーでもなるべく他のお子さんと同じことができるように考えながら治療しています。もし分からないことがありましたら、メールでもいいですからどしどし質問して下さい。

「小児科医」と「幼稚園」や「保育園」は、意外と関係が希薄だと思っています。園の先生方も、我々小児科医と連携して、預かっているお子さんのために、正しい判断で楽しい園生活を送れるよう努力して頂きたいと思っています。