19日は、恒例の院内勉強会があります。今回は、アトピー性皮膚炎で、生活指導を中心にお話しする予定です。
これまでも、何度もアレルギーの勉強会でお話をしてきましたが、私のポリシーは“同じ話はしたくない”ということです。
実際「開業医」になってみると、特に小児科の場合は外来ではほとんどが“風邪”の患者さんなので、正直言って毎日に変化が少ないと思います。毎日にマンネリ化してしまうことは、患者さんにとって最も失礼なことだと考えています。
勉強会での講義でも、同じ話をした方がスライドを新たに準備しなくても済み、自由時間も増えて気楽なのですが、それは向上心のない証拠ですし、どんなに忙しくても勉強会のネタは新たなものを取り入れています。
そして日曜日の今日も、自宅で院内勉強会の準備をしています。一般の方むけの本にも目を通して、参考になる部分はどん欲に利用させて頂いています。いまは近くの本屋さんで買った「アレルギーっ子の入園・入学安心マニュアル」という本を読んでいます。
その中に書いてあったビックリするようなエピソードをご紹介したいと思います。アレルギーの体質の強い3歳の女の子が、園で職員のミスにより禁止されている牛乳を飲んでしまったそうです。たった「一口」飲んだだけなのに、蕁麻疹、けいれん、チアノーゼなどの症状がみられ、意識が2時間戻らなかったそうです。一歩間違えば死に至りそうな重症な症状が出てしまいました。主治医の診断が的確だと、こういったケアレスミスも許されないのです。
一方、少し前にこんな話を聞きました。ある小児科・アレルギー科で牛乳を除去するように指導されていた園児が、間違って「一人分」の牛乳を飲んでしまったそうです。後で園の先生が気付いて、慌ててお母さんに連絡を取ったり、症状の発現を心配したものの、何も起きなかったそうです。
前者のケースは、正確で厳密に守らなければならない指示だったものの、後者は、しなくてもいい除去がなされていたということになると思います。
なぜこんな“差”が生まれてしまうのでしょうか?。前者はアレルギー専門医の診断によるものでした。一方、後者はアレルギー検査が「0」にならないと摂取してはいけないと日頃から指導されている先生によるものでした。園の先生の立場からすれば、いずれも医師からの「アレルギー診断書」が提出されていますので、いずれのケースも厳守しなければならないのです。預かったお子さんを守るために、神経をすり減らして対応されていると思うのです。
こういった差は、医師の理解や指導不足から生まれるものと思います。一般の方は、小児科医ならどの医師でも“同じ”だとお考えでしょうが、私は小児科医が扱う病気の中で、食物アレルギーが一番実力の“差”が生じやすいと考えています。格差社会と言われて久しいですが、現実問題として医師の知識によって医療の面で“差”が生じてしまうし、患者さんの生活にも、高いお金を払ってアレルギー用食品を買いそろえたり、外食や遠出も制限されてしまうという“格差”が発生してしまうのです。
主治医から特定の食品を除去するよう指示されている場合、1年も2年も何も指導が変わらなければ、それが正しいのか考えて頂きたいのです。といいますのは、たいていの患者さんは特に低年齢であれば、発症して1、2年で何らかの進歩、つまり制限の一部解除は可能なことが多いからです。
いつも言っている通り、制限や除去を解除するには「食物負荷試験」が必要です。必要最小限を除去をするには、この検査ができる医師に診察を求めるしかないのです。食物アレルギ-は難しいケースが一部存在しますが、プロの診察であっけなく解決もしくは負担が軽減することが少なくないと思っています。
当院には夏休みを利用して、食物アレルギーの相談に来られる患者さんもいらっしゃるようです。ご希望の方は是非、ご相談下さい。
なお、食物アレルギーの指示は、「医師」から「お母さん」を通じて「園」に行くものと思います。以前も、園関係者の皆さんも食物アレルギーの知識を持って頂きたいと書きました。「園」から直接「医師」へというラインがあってしかるべきと思います。夏休みを活かして普段からお持ちの疑問を解消しませんか?。「園でこういうケースがあり困っている。どうしたらいいのか?。」などの質問にお答えしたいと思います。私の身体が空いている土曜の午後などに医院で相談に乗りたいと思っています。来れない方はメールでも構いません。
また、秋に講演がいくつか入り始めましたが、園に出向いてアレルギーについてお話しすることも可能です。気軽にお声掛け下さい。


