食物アレルギーの中で、一番頻度の高いのは卵アレルギーですが、一番初期に発症しやすいのがミルクアレルギーです。
離乳食として、卵を与えるのは早くて4~5ヶ月ですが、ミルクはもっと早くから飲ませることが多いからです。
当院にかかっているアトピーの患者さんは、もう生後6ヶ月を過ぎているのですが、以前普通ミルクを2~3回飲んでも何ともなかったそうです。今回血液検査をしてみると、ミルクがクラス3でした。普通に考えると、ミルクを飲んで何ともなければ、検査の値が高くても、また飲んでも問題は生じないはずです。でも検査がちょっと高めでした。
この値だと「ミルクアレルギーがあるから飲まないように」と指導されることが多いと思いますが、この子は実際にミルクを飲んでアレルギー症状を起こしたことがないので、「ミルクアレルギーがある」という判断は正しくないのです。
赤ちゃんとミルクの相性をみるために、ミルクの皮膚テストをやってみました。陽性でしたが、さほど強い反応ではありませんでした。飲めるかどうか判断の難しいところです。ここは「食物負荷試験」の出番だろうと考えました。プロが選ぶのは、困った時の負荷試験です。
ミルクのメーカーも慈善事業ではないので、アレルギー用ミルクは価格が高いです。血液検査だけで“ミルクアレルギー”と診断され、高価なミルクを常用するのは経済的にも負担を強いることになってしまいます。普通ミルクを飲めるかどうかは、主治医である小児科医がシロクロをつけてあげるべきです。
ということで、医院で負荷試験をやってみました。最初はほんのちょっと与えただけなのですが、じきに顔に蕁麻疹が出だし、下唇が腫れてきました。ここで蕁麻疹を抑える薬を飲ませ、重症な状態には至りませんでしたが、その後に体も赤くなってしまいました。
赤ちゃんにはちょっと症状を出させてしまいましたが、ここで分かったことは、「ミルクアレルギーがあるということ」、「母乳の補充には普通ミルクは使えないということ」がハッキリしました。ほんのちょっとの量でこれくらいの症状が出たので、ご家族が何気なく赤ちゃんに普通ミルクを与えていたら…と考えるとゾッとします。危機一髪と言ってもいいのではないかと思います。
この検査の一部始終をご覧になっていたお母さんにも、負荷試験の必要性を理解して頂けたと思いますし、私の関わる子供たちには適切な食事指導を行っていかなければならないと思いました。
当院には、アレルギーを心配するあまり離乳食の進め方がゆっくりのお母さんも時々受診されます。アレルギーが絡むと相談に乗ってくれる施設はあまり多くないようです。どの食品がアレルギーを起こしやすく、どれが起こしにくいかを知っていれば、指導はさほどむずかしくはないと考えています。いろんな相談に乗りますので、お困りの方は是非どうぞ。


