ゴールデンウィーク明けで、当院も患者さんはいつもより多めでした。
その中で、当院を初めて受診される方が2割くらいいらっしゃいました。ほぼ全員がアレルギーで、当院のかかりつけの患者さん達が紹介して下さったのでしょう。
しかし、一人だけ、長岡から受診された方がいました。当院は長岡からも受診されるケースがあるので、お友達の紹介かと思っていました。でもちょっと意外なルートでした。
その赤ちゃんは、ある医療機関の小児科で“湿疹”の治療を受けてきましたが、よくならないことを理由に受診されたのです。その患者さんの順番が回ってきたのが12時前だったと思います。当院は今日は半日で、診察時間は12時半までであり、患者さんがまだ何人も待っていたので、通常ならペースをあげるところだろうと思います。私の場合は逆の発想で、遠くからしかもご両親そろって来られているので、時間をかけて説明しないといけないだろうと考えていました。
話を伺うと、これまで診断名は告げられていませんでした。アトピー性皮膚炎の診断基準を満たしていたので、アトピー性皮膚炎と診断しましたが、いつも言っている通り、診断がなければ治療には進めないと思うのですが…。治療は、これまでステロイドは使われていましたが、なぜ効かないのか、良くならないのかを考えないといけません。よく話を聞いてみると、ステロイドの使い方が充分ではなく、塗り方も足りていなかったように思います。それについても、1週間後にかなりの改善が得られるよう、キチンと説明しました。ご両親とも積極的に質問をされ、それに対し丁寧にお答えして、診察が終わるのに30分かかってしまいました。
帰り際に、「おばあちゃん」の紹介であることが判明しました。私が柏崎の病院にいるときに、「アレルギー研修会」といって園や学校関係者にアレルギーについて学んで頂こうという勉強会をやっていました。私が講師でしたので、それに参加されていた祖母が紹介して下さったそうです。ちょっと意外な、初めてのパターンでした。
前医でアレルギー検査をやっていましたが、卵やミルクは陰性でした。しかし、母が食べ物には気をつける必要がないかと言えば、そんなことはありません。まだ幼い場合は、これから反応が出てくる可能性もあるからです。とにかく乳児のアトピーは、アレルギー専門医の腕の見せ所です。様々なことを考えながら、悪化要因を見つけ出す努力が必要なのです。
どの患者さんでも、自分を頼ってくれる方には全力で当たっていますが、このお子さんも片道60キロの道のりをかけたことが無駄にならないよう、治療していきたいと思っています。


