この4月1日から診療におけるシステムが一部変更されました。その中で当院に関係しているもののひとつとして、外来での食物負荷試験の有料化が挙げられます。えっと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、小学校就学前なら医療費の助成のために負担増にはならないと思います。
以前は、“外来”でも“入院”でも食物負荷試験は保険診療では認められていませんでした。患者さんのためにリスクを負って負荷試験をしても「食物」は食べて当たり前と捉えられており、認められないという判断だったようです。これだけの責任を負いながら、それでもやりたい専門医は“奉仕”という形で負荷していたのです。それが確か3年程前に「入院患者」に限り認められるようになり、そして今回「外来患者」でも検査料が頂けるようになりました。
いつもお話ししている通り、「アレルギー検査」は年齢とともに信頼性が低下し、「皮膚テスト」も正確性に欠けるために、食物アレルギーを確実に診断し、子供の栄養を考えて必要最小限の除去に抑えるためには、「食物負荷試験」をやるしかないのです。
ところが、食物負荷試験は2時間はかかってしまい、外来診療を中断して時々負荷試験中の患者さんの症状を確認にいかなければならず、時間と手間がかかります。また不測の事態としてアナフィラキシーを起こす可能性もないとは言えず、リスクを伴います。毎回、いつでも何らかの症状に対応できるよう緊張感をもってやっています。
小児科医がやる検査としては、高い“専門性”と“技術”が求められますが、なかなか負荷試験をやり慣れた小児科医に出会えないものだと思います。当院では開院から半年くらいで、この希少と言わざるを得ない食物負荷試験を100件以上やっていますし、前勤務先でも300件以上はこなしています。これらはすべてボランティアとしてやってきたのです。別にお金のためにやっていた訳ではないし、ただ患者さんのために“正しい医療”を提供したい一心で行ってきました。ようやく、その検査を外来でやっても、“技術料”を認めて頂けるようになりました。私も含めた食物アレルギーの専門家で、食物負荷試験をコツコツとやってきた小児科医にとっては、努力を報われたような気分だと思っています。
ただし、回数制限があり、1年間に2回までとなっています。あまり言いたくないのですが、検査費用が高いので何度も検査して、検査費を稼ごうとする不心得な医師が存在するため、制限を加えてあると聞いたことがあります。一般的には医院で対応できないケースでも病院で対処せざるを得ないため、これまでも病院の先生が負荷試験を行っているケースは少数でしょうが、あったかもしれません。医院でも検査できるとなると、有料化に伴い飛びつく医者もいるかもしれません。食物負荷試験は確かな技術を持った医師が行わないと、危険です。まさか新潟県にはいないと思いますが、危険な方法で負荷試験を強行するようなことがないことを祈ります。
負荷試験ができなければ、できる医師に紹介するのが、確かな方法だと思うのですが、今のところ紹介はほとんどありません。まだまだ県内には、アレルギー検査だけで食物の除去を指示されている患者さんが相当数いらっしゃると思います。そういった患者さんたちは「食物負荷試験」の存在も知らず、検査で判断されることに何ら疑問を感じていないと思うのです。当院がもっと努力して「食物負荷試験」の存在を親御さんに知って頂く努力を続けなければならないと思っています。


