小児科 すこやかアレルギークリニック

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9年目にして
2008年04月09日 更新

日々診療していると、“毎日”アレルギーで困っている新患の患者さんが受診されます。ぜんそくやアトピー性皮膚炎、食物アレルギー、花粉症、じんましんなど、お困りの子供たちがこんなにも多いものだと実感しています。

“アレルギー”という同じ病気でも当院を受診されるまでの経過は様々です。十人十色と言ってもいいでしょう。話を伺っていると、親御さんの苦悩を知るに至り、「何とか期待に応えなくては!!。」って思います。

以前も触れましたが、小学校中学年まで卵を“完全除去”していた子が受診されました。当院は食物アレルギーを専門的に診療しているため、他施設より食物アレルギーの患者さんが集中しやすいのですが、さすがにこの年代までキチンと除去している患者さんはあまり経験がありません。アレルギー診断書が「卵は完全除去」という内容で毎年“更新”されていたそうです。卵白の値がクラス1(6点満点)まで下がっていたのですから、途中見直しがあってもよかったと思うのですが…。

そんな状態で当院を初診された訳ですが、かといって「卵焼きを食べてみましょう」なんてあっさり言えません。それはごく少数ですが、この年代まで完全除去をし続けなければならない重症者がいることもあるし、「誤食」もないのです。図らずも卵料理やお菓子を食べてしまったという経験があれば、それを参考にしない手はありませんが、それもなかったのです。

そこで「プリックテスト」という皮膚テストを行ったのですが、陰性と思いきや、意外と大きめに腫れて陽性だったりします。結局、シロクロ付けるのは「食物負荷試験」しかないのです。皮膚テストが陽性だからといって、負荷試験をしないのは、アレルギー専門医として名がすたります。皮膚テストが陽性でも、負荷してみて食べられるケースも少なくないのです。

ただし、当院ではオープン法といって、本人も負荷する食材を承知しているので、本人が精神的に重荷で食べたがらなければ、“検査”できないのです。しかも、無理矢理食べてしまってから「お腹が痛い」と言い出したりすると、それがアレルギーなのか、精神的なものなのかを区別する術はありません。

お母さんと本人に食物アレルギーのこと、負荷試験のこと、それによるメリットデメリットを丁寧に説明をし、ここで頑張らなければ気持ちの上で“一生”食べられなくなる可能性もある旨を伝えました。時間をじっくりかけて説明したせいか、負荷試験をやることに同意を頂きました。負荷試験当日は、本人を励ましながら、加工品を食べることができました。9年目にして、初めて食べる卵製品!。母も嬉しそうでしたが、私も安堵しました。

負荷試験の当初は、ご本人が神妙な顔つきでしたが、試験後は吹っ切れたような表情でした。自信をつけてくれたようです。私も、より自信を深めてもらえるよう次回も頑張りたいと思っています。

アレルギー検査が「0」にならないと卵や乳製品を食べられないと思っている方は、ハッキリ言って“間違い”です。たいていの場合、もっと早くから食べられます。精神的に拒絶反応を起こす前に、食事制限の解除をするのも「小児科医」の役目です。まだまだ同様なケースでお困りの方も多いことでしょう。食べても何ともないものを、“食べてしまったら危険”と怯えて食事をするのは、美味しいものでも美味しく食べられません。何とかしたいと思いますので、躊躇せずお早めに受診して下さい。