ハッキリいって、当院は待ち時間が「長い」です。こう聞くと一般的にはマイナスのイメージが付きまといます。しかし、これは“個性”だと思っています。以前はスピーティな診察もしていましたが、敢えて「逆」を心掛けています。
3分よりも、5分、5分よりも10分診療の方が、患者さんにいろいろな情報をお話しできます。ご存知だと思いますが、アレルギーの体質を持っていると、「ぜんそくとアトピー」、「ぜんそくと鼻炎」、「アトピーと食物アレルギー」などは合併しやすいのです。最近は、アトピーがなかなか良くならないと受診される患者さんがとても増えました。“ぜんそく”を合併していることも珍しくないのですが、重症でないと診断されていないケースが多いのです。ですから皮膚でかかっても「咳」が出やすくないか必ず聞くようにしています。そうすると場合によっては、一人の患者さんに2倍の時間がかかってしまうのです。それでも、こだわって勉強している分、お話ししたいことが沢山あるのです。
熱の患者さんも、ほとんどは「耳」を診るようにしています。最近は繰り返す発熱の原因として中耳炎も多いからです。「耳は耳鼻科に行くもの」と思っていらっしゃるお母さんが多いのも、ちょっと驚きです。中耳炎を強く疑えば、お母さんと看護師さんと2人掛かりで押さえて、耳あかの除去をしてまで鼓膜を診ることも少なくありません。
「鼻」がのどに落ちて咳になっているからと、“咳”で耳鼻科に通っている患者さんもいらっしゃいます。当院は「呼吸器」にもこだわっているので、当院にかかって初めて、(確かに鼻も悪いのですが)「ぜんそく」と診断されることもあります。蓄のう症が咳を誘発していることも少なくないし、ぜんそくの悪化要因にもなっているので、蓄のう症の治療も併せて行う必要があるのです。確かに小児科医には診きれずに、耳鼻科や皮膚科、眼科の先生にお願いしなければいけない難しいケースもあるのですが、研修先で学んできたことはなるべく自分で対応しています。
またアレルギーでも、アレルギーでなくても再診された時に、改善が思わしくなければ、“必ず”処方を変えています。特にアレルギーでは、良くならないのは私のプライドが許しません。同じ処方では、同じことの繰り返しですから、良くならない理由を探るために、時間をかけて問診をし直します。よく聞くと、治療のヒントが隠されています。治療を変えるなら、その理由や新たに薬の説明もして理解して頂けなければなりません。
これは以前からやっていることですが、特に慢性疾患の子供たちが喜んで通ってくれるように、子供をかまったり、かわいがったりしています。今は診察室におもちゃが沢山あるので、ちょっとだけおもちゃを使って一緒に遊んだりしています。またお母さんに「親父ギャグ」を言ってしまうことも…。それが忙しい外来のちょっとした“清涼剤”になっていると思います。
こうやって書いてみると、我ながら“時間をかけている”というか“手間をかけている”と思います。ちまたでは感染症が減っているのに、当院では逆に患者さんが増えています。待ち時間は土曜でなくても1時間を超えることもあります。都合のいい考えかもしれませんが、耳鼻科や皮膚科など数カ所を掛け持ちでかかるよりは、小児科医らしく幅広く対応してもらい、1カ所で診てもらった方がお母さん方にも好都合なのかもしれません。
「以前かかっていたところでは先生と実質1分くらいしか話せなかった」というお母さんもいらっしゃいます。他の患者さんとの予約時間を守るためなど、いろんな理由があるのだと思います。私の方針を理解して下さり、腕を信じて下さるかかりつけの患者さんもだいぶ増えました。当院は本日で開院半年を迎えましたが、「半年以上の付き合い」と思えるような患者さんが多くいらっしゃいます。待ち時間が長いのは、診察時間が長いとも言える訳で、患者さんとも長く触れ合えます。「こんなことも聞いていい?」とくだけた言い方で聞かれることも少なくないですが、それも“付き合いが長い”からだと思っています。これも個性として、明日から頑張っていきたいと考えています。


