小児科 すこやかアレルギークリニック

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「変わらない」
2008年02月19日 更新

当院では、再診時の問診票に前回受診された時の症状がどうなったかを、「良くなっている」、「変わらない」、「悪くなっている」のどれかに丸を付けて頂いています。

診察室に患者さんが入ってくる前に、その項目だけは事前にチェックしておきます。自分で言うのも何ですが、9割くらいは「良くなっている」のところに印がついています。これを見ると「ヨッシャー!」って思います(笑)。当院はアレルギーの患者さんが引き続き多い為に、さすがに専門分野に関しては良くなることは当たり前と思っていますが、“良くなった”と言われて悪い気はしませんよね。

「悪くなっている」と言われる場合は、たいていは「熱」が出てしまい悪化しています。小児科を受診する子供たちは園児が中心ですので、園では“風邪をあげたり、もらったりする”のは避けられないことだと思います。ぜんそくや咳は感染をきっかけにほとんどが悪化しますので、これは致し方ない部分だと思いますし、患者さん自身も「仕方ないな」って感じで再診されています。

私が重視しているのは「変わらない」の場合です。明らかに熱発している訳でもないので、こちらも“言い訳できない”のです。良くする治療をしているのに「変わらない」のはそれなりの理由があると考えています。その理由を考えないと、患者さんを改善させることはできないし、今後似たようなケースに当たった場合に、同じ過ちをするかもしれません。ここが腕の見せ所ではないかと思っています。

例えば、ぜんそくの患者さんの場合は、台風が接近してきたり、天候が急に変わって悪化することもあります。それは自然現象なので、悪化することは避けられないのですが、それでも原因の特定は重要だと考えています。「そういう場合の特定は簡単じゃないよ」という方もいらっしゃるかもしれませんが、さほど難しくないと思います。これは柏崎の病院にいた時のことですが、普段落ち着いていたぜんそくの患者さんが、風邪を引いた訳でもないのに十数人が同じ日に咳が悪化した、ゼーゼーいったと受診されたことがありました。こんなことは私にとってもあまり経験のないことでしたが、何人か診て「こりゃ天候のせいだ」と気付きました。その日は、前日のよるから朝にかけて急激に天候が変わった日だったのです。

前日に実家に行ったことを聞き出して、ようやくヒントをもらうこともあります。昨日、お話しした蓄のう症の悪化など他の要因も考えなければならないこともあります。気象状況だけは太刀打ちできませんが、改善させることが可能なケースも少なくなくありません。次回受診された時に、「症状が悪化」していれば治療を考え直すのは当然として、私のポリシーとして「変わらない」場合でも対処可能と判断すれば、薬を変更することが多いです。患者さんは症状が良くなることを願って、信頼して受診されています。充分問診をして、いろいろ考えながら、症状を短期間で改善させる努力をすべきだと思います。

当院では「変わらない」もしくは「悪くなっている」患者さんには「なぜ良くならないのか」をご説明しています。その時点で考えうる「どうすれば良くなるか」ということも合わせてお話ししています。患者さんの不安を取り除くのもプロの仕事だと思っています。そういうことにキチンと時間をかけるのも私の“こだわり”です。専門病院で学んだことは「早め早めに対処する」ことでした。常に先を読んで対応すれば、ぜんそくや咳の慢性的な病状を安定させることは、それほど困難ではないと信じています。(皮膚の外用薬については後日触れたいと思っています)

かかりつけの患者さんは、症状の改善が今一歩だと思えば、どんどん「変わっていない」、「悪くなっている」に丸を付けて頂いて構いません。その理由をともに考え、ご家族と一緒に解決していくのも主治医の仕事だと思っています。