小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

説得力
2008年02月17日 更新

当院は、アレルギー疾患の患者さんが確実に増えており、自信を持って対応させて頂いております。時として、私の治療方針がこれまでかかっていた医療機関と方針と異なる場合があります。そんな時は「あれっ」って顔をされることもあります。私も長年アレルギー外来をやってきましたので、対応し慣れているつもりです。すかさず“空気を読んで”「エビデンス」をお示しするようにしています。

例えば、何週間も咳が止まらず「風邪」と診断されていた患者さんが、当院を初めて受診されたとします。いろいろ問診して、診察もしてその結果、「ぜんそく」と診断するとビックリされます。まず、ぜんそくの特徴を説明し、ガイドラインの診断基準をお示しします。私の診断が「我流」でなく、日本の第一人者の先生方が作成された方針に基づくものと分かって頂く必要があるのです。ぜんそく治療はアメリカやイギリスなどで微妙に異なりますが、ここは日本ですので、日本のガイドラインにの則った治療法も合わせてご説明しています。今のところ、「納得がいかない」と言われたことはないです。

食物アレルギーも、アレルギー検査を重要視されて説明されている場合は、ちょっと時間がかかります。数字が0~6までの7段階で表されると、一般の親御さんもスッキリ納得されてしまい、“エビデンス”と勘違いされてしまうのです。私の患者さんで卵白が「6」で卵焼きを食べてる子がいると話すと、ビックリされます。確かに「6」だと、たいていのお子さんが強めに症状が出るはずです。しかし“卵焼き”の「食物負荷試験」をしてみて、実際に食べて何も症状がでないですので、この患者さんに関しては誰からも文句は出ないはずです。

さらにエビデンスを出すために、こういうデータも提示することもあります。血液検査で8割が陽性と判断されていたのに、実際に「負荷試験」をやってみたら、こんなにも“ハズレ”ていたという研究結果です。

全卵で血液で84%陽性と判断されていたのに、負荷試験で60%のみが陽性
卵黄    81%                  24%
牛乳    75%                  44%
小麦    84%                  34%
大豆    79%                  15%
(食物アレルギーの診療の手引き2005より:厚生労働科学研究班)

一番隔たりが顕著な“大豆”で説明しますと、対象患者のうち79%の患者さんが大豆の血液検査で「陽性」と判断されていたにもかかわらず、実際に負荷試験で食べてみて、何らかの症状が出たのはわずか15%であったという話です。もし検査の値だけで判断されていたとしたら、64%もの患者さんが「不必要な除去を余儀なくされていた」という驚くべきデータです。各食品でみると、全卵で24%、卵黄で57%、牛乳で31%、小麦で50%、大豆で64%に相当大きな「ズレ」が生じているのです。多分、読まれた方全員がビックリされていると思います。これでも、まだ血液検査を信用しますか?。このズレをあばくのが“食物負荷試験”なのです!。ただし数字の高いものは症状が出る確率が高いので、中途半端な値は「もしかして少しは食べられるのではないか」と疑ってかかるのも間違っていないと思います。私もこれまで「負荷試験をやらないと分からない」と繰り返してきましたが、ちょっと反省しています。今後はこうやって分かりやすいエビデンスを出して、皆さんに正しく理解して頂く努力をしようと思っています。

親御さんが心配されている、食べてすぐにショックなどの強い反応が出る場合は、数字が2くらいのこともあります。これを即時型反応といいますが、皮膚テストで反応が出やすいといわれています。あまり痛い検査ではないので、これを使わない手はありません。今月は「アレルギー診断書」の提出を求められる場合が多いと思います。じっくり時間をかけて、これまでの食生活を問診し、皮膚テストなどを組み合わせエビデンスに沿って判断すれが、「必要最低限の除去」ができるのではないかと思います。

「食物アレルギー」に関しては、“無駄な除去をなくす”ことが当院の最大の目標です。そうすれば患者さんやご家族の気持ちがいかに楽になることか。的確な診断をするために、時間をかけて、持てる知識を総動員しますので、食物アレルギーでお困りの方は、当院にご相談下さい。