小児科 すこやかアレルギークリニック

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醍醐味
2008年02月07日 更新

先日、中学生の男の子の重症アトピー性皮膚炎の患者さんが受診されました。これまで某医療機関で治療を受けていたそうですが、とある方の紹介で小児科の私のところに来られたのです。

あまりに重症でしたので、自分で診きれるかと多少心配もあったのですが、皮膚を診察して、これまでの経過を時間をかけて聞いて、おくすり手帳でこれまでの処方をチェックしたら、だんだん“治療戦略”が見えてきました。小児科医は往々にして軟膏などの薬物療法は遠慮がちですが、この子はこれまでの治療は充分なされています。私の場合は、アトピーで軟膏を処方する時は、「この薬を使えば次回までに肌の状態はこうなっているはずだ」とイメージして薬を選択しています。過去の治療はほぼ私の想定の治療と似ていましたので、何か見落としがあるのではないかと考えました。

これは咳などでも同じです。良くなっていなければ、同じく薬を出しても大して変わらないはずですよね。私は改善がなければ、“必ず”処方を変えています。医師は毎日診療していると、最初に考えた診断や治療ですんなり良くならないケースも時にあります。その場合は、「じゃあ、考え方をちょっと変えて、こう攻めたら改善するのではないか?。」と考えなければなりません。さながら名探偵コナンのようですかね?(笑)。「プロ」として治療の“引き出し”はたくさん持っていないといけないと思います。

小児科外来は、感染症がほとんどです。一部の細菌感染には抗生剤を、インフルエンザや水ぼうそうは抗ウィルス剤を出すので、“迷う”余地なく「診断=治療」となります。感染症に対応することは小児科医として基本なので、小児科医なら普段やっていることです。しかし、私は“考えて悩みながら”やる医療も結構好きだったりします。一人当たりに時間がかかっても、目の前の患者さんのために、精一杯頑張っているつもりです。特にアレルギーの患者さんは「ドクターショッピング」といって、症状が良くならないとすぐに他の医療機関へ行ってしまい、腰を据えて治療できず、なおさら症状が安定しない、ということがよくあります。当院を頼って下さる患者さんに対しては、何とか当院が「最終医院」になるよう、丁寧な対応と的確な治療を心掛けています。

冒頭の患者さんですが、改善しない原因は“とびひ”だと判断しました。1週間後に再診して頂きましたが、どんピシャリ!。うまく改善していてくれました。正直いって「どうなってるかなー?」とちょっと心配していたのですが、私もホッと胸をなでおろしました。実はご家族にアトピーの方がいらっしゃって、ステロイドなどの治療に抵抗を持たれていたようですが、30分以上説明したら、キチンと塗って下さりました。しかも今後の治療は“お任せ”だそうです。ありがたいことです。プロトピックなどのテクニックを駆使して皮膚を安定させようと考えています。

小児アレルギーは手間もかかりますが、やり甲斐のある分野だと思います。専門施設で研修してきましたので、多少の知識や技術は持っているつもりです。感染症の治療はそう変わるものではないので、その次に多いアレルギーは施設間の差は出やすいのかもしれません。そう考えると、自分の知識が時代遅れにならないよう、日々勉強してレベルの高い医療を提供できる準備をしていないといけないと思っています。