私が福岡で研修させて頂いた時に、最初は「ぜんそく」を中心に学ばせて頂きました。そして自分でも今一歩自信のなかった「乳幼児のアトピー性皮膚炎」と「食物アレルギー」は昨年、再度研修にいって学ばせて頂きました。
「ぜんそく」に関しては、大抵の小児科医が「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン」をもとに診療していると思います。これは“軽い”患者にはその都度の治療、“重い”患者には過小な治療にならないように適切な治療をアドバイスしてくれるものです。言い換えると、ある一定の基準で重症度を決めて、このくらいの発作頻度ならこういう治療がお薦めですよ、と明示してくれています。ぜんそくは日頃の管理がものを言います。過小治療ですとドンドン発作を繰り返し、より重症化してしまいます。
実はこのガイドラインを作成している責任者の先生が福岡の病院の院長先生です。間違いなく、日本で重症のぜんそく患者を最も多く診ていらっしゃいます。昔は今のように優れた治療法がなく、重い発作を起こして亡くなってしまった子供たちをみて、これ以上死なせまいと必死になって頑張ってこられたそうです。評判を聞いて患者が集中してしまい、診療が終わったのが深夜の1時だったこともあったと聞いています。そしていつの間にか日本の第一人者となり、ガイドラインを作る立場になられたのです。この情熱にはさすがの私も足元にも及びません。私の人生を変えた、ものすごく尊敬すべき先生です。
今は日本のアレルギー界の代表になられたので、あまりに多忙で病院にいないことが多いのですが、私が最初にお世話になった6年前は今ほど不在が多くなかったのです。毎週木曜日は「院長回診」した。学問に厳しい先生なので、回診の日はいつもスタッフの間に緊張感がただよっていて、私はよく叱られていました。そんな生活を繰り返していると、自然と福岡での治療方針が頭に叩き込まれます。それが先に述べたガイドラインでもある訳です。
私の誇りは、こんな素晴らしい先生のもとで学ばせて頂いたことです。重症な患者の治療も手取り足取り教えて頂きました。ガイドラインを読んでも分からないような、知識を習得させて頂けたと思います。かなり重症なぜんそくの子供でも対応できると思える気持ちはここから来ているのです。百数十人の門下生の一人ではありますが、福岡の秘伝の治療を新潟でも広めたいと思っています。


