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アナフィラキシーの治療
2016年06月14日 更新

土曜の学会発表が終わり、とりあえず肩の荷がおりました。

ただ、一週間後も発表があります。構想は練っていますが、スライドはまだ完成していません。今週頑張れば何とかなると踏んでいました(汗)。

昨日は月曜日で、週明けということもあり、外来は混雑します。一人一人に集中して診療すると、百数十人の受診があると、ヘトヘトになってしまいます。ホント、学会準備どころではなくなります(涙)。

少々焦りもあるのですが、今週は始まったばかり。何とか完成させないといけません。かと言って、水曜は150キロくらい離れた街へ講演もあります。そう考えると、今日頑張ってはかどらせないとダメのようです。

土曜の発表で、スパイスアレルギーについてお話ししてきました。カレーに含有するスパイスのどれもがダメという訳ではないので、その中でアレルギー症状を起こすであろうスパイスを特定する作業が大変ではありますが、そこを端折っては診断が確定できないということです。

時間も労力もかかりますので、医師はなるべくは避けたいのでしょうが、プロならばそれを嫌がってはいけません。そうしなければ、患者さんの生活の質を低下させることになりますから。

実は、今回の発表で、もう一つ力点を置いた部分があります。それは治療です。

カレーを食べてアナフィラキシーを起こし、呼吸困難を起こしているにもかかわらず、皮膚科医からは抗アレルギー薬とステロイド薬が処方されてだけでした。その後、身動きできないほど呼吸困難が重症化します。残念ながら、皮膚科医の治療が適切でなかったのです。

2年前くらいでしょうか、アナフィラキシーのガイドラインなるものが公表されました。アナフィラキシーの定義や治療などが記されています。今回の皮膚科医の治療を検証するということで、ガイドラインと照らし合わせてみたのです。

ガイドラインには、アナフィラキシーのグレードは3段階に分けられています。グレード1が一番軽く、グレード3が一番重いのですが、今回の患者さんはグレード2でした。グレード3ならエピペンと同成分のアドレナリンの注射が求められます。グレード2の場合は、即アドレナリン注射という訳ではありませんが、軽い呼吸困難を呈している場合は、気管支拡張薬の吸入を行い、効果がイマイチならアドレナリン注射を行うと書かれています。

しかも、受診後まったく改善なく、さらにグレード3に悪化していますが、救急外来を受診するなどのアドバイスもなかったため、患者さんは必死に耐え、そのうちに徐々に改善していったそうです。お気の毒なことをしました。

皮膚科医の処方は、抗アレルギー薬とステロイド薬でした。抗アレルギー薬は蕁麻疹も出ていたので有効でしたが、ステロイド薬については多くの医師が処方したがりますが、すぐには効果は発現せず、誤った使い方がなされていることも指摘させていただきました。

皮膚科医は、ご自分や家族がアナフィラキシーの結果、呼吸困難で苦しんでいれば、救急外来に駆け込むなり、急いで対応したと思いますが、患者さんだとそこまではしていません。このムラって、医師としておかしいと思うのです。

蕁麻疹その他の症状で皮膚科を慌てて受診するケースもあるでしょうから、皮膚科医だからこそ、アナフィラキシー対策は必要だと考えています。この患者さんにはエピペンすら処方されていません。

小児科はもちろん、皮膚科医、内科医はアナフィラキシーのガイドラインに目を通しておきたいものだと思っています。