昨日、ぜんそくで治療している患者さんにRSウィルスの検査をしました。
数日前にぜんそく症状が出てきたため、治療を開始していました。しかし、微熱もあり、咳も悪化しているということで、再診されたのです。当然、良くなっているはずなのに、良くはなっていない。こりゃ、おかしいと感じました。
時々触れていますが、1歳以上の患者さんにRSウィルスを調べると、医院の損になります。そういう理由で、調べようとしない小児科が多いのです。今回の場合、治療をしているのに、良くなっておらず、RSウィルスか何かかが足を引っ張っていると考えました。
信頼して通ってくれている患者さんなので、良くならない理由を明らかにしたいと考えました。私も今後のためにも知りたいと思いました。この時点で、RSウィルスを調べて損とか得とかのレベルの問題ではなくなっています。しかも、RSウィルスなら、この子の通う園にそのことを伝えないといけません。
ちなみに、多くの医療機関が損をしたくないせいか、園でRSウィルスの流行に気づいていないことがあります。風邪とは異なる強い症状が出るので、これではちょっと情けないと思っています。
調べてみると、RSウィルスが出ました。私の中でも、RSウィルスが邪魔をしていているため、治療の効果がイマイチであることが立証できた訳です。
これまでもこういう方針で、おかしいと思った時に調べることも多かったので、ぜんそくの治療しているにもかかわらず、イマイチの時はその原因を自分なりに追求してきました。
「損をしたくない」という気持ちを優先する医院は少なくない、いやかなり多いですが、そういうことをしていると、ぜんそく治療も上手にできなくなってしまうと思っています。ぜんそくは慢性の病気なので、発作を繰り返すと気管支が荒れて、より発作を起こしやすくなります。RSウィルスにかかって悪化するのは致し方ありませんが、なぜ悪化したのかを知ることができます。
少なくとも慢性疾患を診る上で、患者さんに責任を持つということが必要になりますが、損得を優先していては、それもできないということになると思っています。
昨日も水イボの話をしましたし、今日もこれまで何度か触れたRSウィルスについて書きました。「また同じことを言いやがって」と思っている人もいるかもしれません。
これって結局のところ、多くの医師が「医院(クリニック)を守りたい」からこういうことをしてしまうのだと思っています。日本の医療制度は、一人当たりの時間を短縮し、大勢診た方が利益が上がります。面倒なこと・時間のかかることはしない、損になることは避ける、そういう方針を優先しているのだろうと思います。
当院の場合、そういうことはほとんどしていないつもりです。格好つける訳ではありませんが、「医院を守る」のではなく、「子どもたちを守る」ことを優先しているつもりです。
アレルギーという得意分野を生かして、日々診療にあたっていますが、多少の損は覚悟で「子どもたちを守る」ことを優先していると、親御さんもそれに気づいてくれて、多くの患者さんから頼りにされるようになると思います。そうすれば、結果として「医院を守る」ということにつながるはずです。
目先の損得にとらわれると、医療の質を明らかに落としてしまいます。そうしない医療をする医院が増えてくれるといいなと思っています。


