小児科 すこやかアレルギークリニック

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真の理解
2013年06月06日 更新

昨日も、食物アレルギーの誤食時の対応についてハシゴしてきました。

来週も2件ハシゴです。好きでやっていることなので、話し終わった後は正直「疲れたな」と思いますが、話している最中は「食物アレルギーの対応を知って欲しい」、「アレルギー検査だけで食べられる・食べられないと判断されている現状を変えたい」、「食物負荷試験を広めたい」、そんなことを考えているので、まくしたてるように(?)1時間以上をしゃべりまくります(笑)。

昨日は、長岡市に行ってきた訳ですが、最近はエピペンの打ち方などを講習で受けることもあるようで、エピペンの持ち方やこんな感じで打つということは大抵の職員の方がご存知のようです。その学校の校長先生もそうでした。

ただ、こういうことは食物アレルギーを専門の医師が分かりやすく説明すべきことだと思っています。いざという時に対応しようにも冷静でいられない、それが普通でしょう。エピペンの持ち方、打ち方を表面的に知っているだけでは不十分だと思うのです。

誤食時にどういう症状が起きて、いわゆる“医療行為”である注射をしなければいけない状況はどんな時か、なぜエピペンを使うのか、どういう状況でエピペンを使わないのか等々、知っておきて頂きたいことは沢山あります。

私の話もまだ足りないことなどもあるでしょうが、エピペンのことで「なるほどな」と思って頂くことは大切なことで、“真の理解”がいざという時の冷静な対応を生むと思っています。

また、学校に出向いて職員の方全員に話を聞いてもらうことは、「自分も当事者の1人である」という気持ちを持って頂けると思うのです。例えば自分のクラスに食物アレルギーの子がいないと、つい「自分は関係ない」と思いがちです。いつも言っているのは、学校全体でチームワークとして対応して欲しいということです。

打つタイミングもよく知っておいて頂かなければなりません。多分、「ゼーゼーした時」、「ぐったりした時」に打つよう言われていると思います。これで有事の際に対応できるでしょうか?。

多くの学校や園職員がゼーゼーした姿やショック状態でぐったりした姿を見たことがないと思います。ある程度は、食物アレルギーのことを知っていなければいけないのだと思います。

数年前に姫路市で学校がエピペンを誤食時に備えてエピペンを預かっていたのに、実際に誤食させてアナフィラキシーショックに至らせたにも関わらず、エピペンを打たなかったという事例がありました。母が駆けつけ、エピペンを打ち窮地を救ったのです。

新聞では、この件が学校側に批判的な論調で報道されました。預かった時点で、学校側に責任が生じてしまっていたのだと思います。今のように全国各地でエピペンの講習があるなんてことはない時代だったので、学校側も知識や情報不足だったのだろうと推察します。

エピペンを打つことは学校や園の先生にとって「業務」ではありません。学校や園でアナフィラキシーショックを起こした際に、人道上、(やむを得ず)使って欲しいというものだと捉えています。本当に使わなければ、子どもの命が危ない時にだけ、力を貸して頂きたいのです。

もちろん、救急隊や親御さんが到着してくれれば、あとはお任せでもいいと思います。あくまで、アナフィラキシー時に、エピペンを打てるのが学校や園の職員だけという状況下でということだと思っています。

昨日は、私の診ている重症な小麦アレルギーの患者さんにエピペンを処方しており、その子の通う学校に出掛けた訳ですが、学校の先生にその子がどれだけ重症かを知っておいて頂くことも重要だと思っています。それも“真の理解”だと思っています。

小麦アレルギーの場合、負荷試験はうどんを食べさせるのですが、この子の場合、うどんなんて食べられそうになく、当院のこだわっている加工品を少しでも食べさせたいと思いました。実際には、プリッツなどのお菓子を10本も食べられない状況でした。そういう負荷試験をやった結果を知らせることで、「この子は重症なんだ」と認識して頂けると思います。

ようやく学校や園側でエピペンという認識が広まってきて、それはそれで嬉しい限りなのですが、実際にしっかりというか、ある程度というか理解して頂くとなると、それなりのものが必要になります。

やはりベストは、主治医が学校や園に出向いてエピペンや食物アレルギーに関して理解を求め、「自分の患者さんを守りたい。協力をお願いしたい。」という気持ちを伝えることだと思っています。