14日の土曜は本当にどうなるのかと思いました(涙)。
土曜は診療は12時半までですが、どこの小児科でも同じでしょうが、翌日が日曜で休みのため、混雑することが多いのです。当院の場合、12時半で終わった試しがないくらいですが、13時過ぎには終わるだろうと思っていました。
その後の予定は、14時からぜんそく患者さんの治療を止めてもいいか判断するために「気道過敏性試験」をやり、16時から上越市の休日診療所の仕事に行くというものでした。以前もこうした予定を組んだこともあるため、何とかなるだろうと思っていました。
当院の場合、スロースタートで最初は大して混みません。昼も近くなってくると、混雑してきます。混んでいる場合、大抵の医師は、患者さんの話も話半分に早く終わらそうとすると思います。当院は、アレルギーという慢性疾患を扱っていることもあり、私の心掛けていることは、「同じことはしない、いやそうしてはいけない」と言うことです。
当院は、初診時の問診票は再診の場合と別にしています。最初はいろんなことを聞く必要があるからです。そこに住所を書く欄があります。当院の場合、市外からの受診も多いのですが、土曜に限って新潟市や小千谷市からも受診がありました。いずれも100キロ前後の道のりを経て受診してくださったことになります。
別に地元だから力を抜く訳ではないのですが、これまでいろいろな小児科を受診されているでしょうから、それだけ大きな期待を込めて遠路遥々受診されたのだと考えると、「オレが何とかしなければ」という気になります。
アレルギーの場合は、慢性疾患にも関わらず、多くの医療機関で風邪などの急性疾患と同じように扱われています。すぐに治らない病気だし、敢えて言えばアレルギー専門医に比べ、専門的知識を充分に持っていない医師も多いのです。その結果、「3分診療」が繰り返されています。良くなるものも、良くならないというのが現状です。
少なくとも当院に来られる患者さんは、「オレが何とかしなければ」という志を持った医師に出会えなかったので、様々な思いを胸に当院を目指して来られるのだと思っています。
当院は、120キロ離れた新潟市からの受診は、過去にもありました。普通は大都市から田舎の街へ受診することはないと思います。これまでは食物アレルギーが多かったのですが、今回の患者さんはアトピー性皮膚炎で悩んでおり、皮膚科に通っても良くならないため、「悪化要因は何かを知りたい」というのが目的でした。
この時点で、当院の電子カルテの表示は一面が真っ赤でした。診療待ちの患者さんは画面上に順番に表示され、赤い色をしています。一面真っ赤とはだいたい30人待ちを表しています。
そんな状況であっても、少なくとも私には「3分診療」はできません。以前、食物アレルギーでN市の有名皮膚科に相談にいったら、2時間待たされた上で「治らない」のひと言で済まされた患者さんがいました。悔しくて目に涙を浮かべて帰ってきたそうです。そんな、医療に絶望した患者さんを更に作りたくはありません。
気道過敏性試験や休日診療の仕事が控えていても、ここはキチンと母の疑問に対する“答え”を持って帰って欲しいと思いました。
これまで医師からどういう説明を受け、どういう治療を受けてきたかを聞く必要があります。いろいろ話を伺うと、問題点が浮かび上がってきます。そうすると、だいたいその医師がどれだけアトピー性皮膚炎のことを理解しているかが分かります。
お母さんの知りたいのは、お子さんのアトピーの悪化要因でした。私の結論は、お母さんの予想だにしないものだったでしょう。「通っていた皮膚科医の治療が充分でなかった」、これが私の考えです。
診察してみると、身体の所々にアトピーの典型的な湿疹があり、掻き壊しを繰り返していました。治療がこの患者さんに適切でないことは明らかです。
以前も触れましたが、大事なことはステロイド軟膏に対する不安をなくすことと、世界基準の塗り方をすることです。ちなみに「良くなったら止める」という医師が多いですが、正しい指導とは言えません。ほとんどの医師がこう言っているため、その誤解を解くのに苦労しています。
時間をかけて説明しましたが、初めて聞くような話も少なくなかったと思います。悪化要因も理解できたと思っています。私には、次回受診時の皮膚の状態が見えているつもりです。良くするのに充分であろう薬を選んだからです。
親御さんの疑問に答え、症状も改善させる、これが私に期待されたことです。待っている患者さんが多いからと話半分で済ませていたら、私自身も後ろ髪を引かれる思いだったでしょうし、親御さんも「どの医者も同じだな」と思ったと思います。一応、初診時の責任は果たせたのかなと思っています。
他にも大勢新患の患者さんがおり、自分なりの答えを導き、説明しました。結局、診療が終わったのが15時過ぎでした。それから「気道過敏性試験」に突入です。1時間もお待たせしてしまいましたので、昼ご飯なんて食べていられません。
それも終わったのが15時45分頃で、弁当を流し込み、かろうじて16時からの休日診療に間に合いました(大汗)。寿命が縮まる思いでした。
来週は、160キロ離れた新発田市から受診される患者さんもいて、「何時に終わるんだろう」という懸念もありますが、気道過敏性試験も休日診療もないため、時間に間に合うかなんて心配はありません。いつも通り、全力で目の前の患者さんに対応するだけだと思っています。


