最近、土曜は毎週のように「気道過敏性試験」を実施しています。この場で時々触れていますので、ご存知の方もいると思います。
食物アレルギーの診療は「食物負荷試験」なしにできないと言われています。私は新潟県の食物アレルギーの子を持つ親御さんや園•学校関係者のすべてに「食物負荷試験」の存在を知らせたいと思っています。
いつも書いているように、アレルギー検査が高いから食べられないとする判断は間違いが多いからです。医師の不勉強により、する必要のない除去を必死に守っている親御さんや園•学校をひとつでも多く減らしたいと思っています。
負荷試験を広めるのは、私のライフワークのようなもので、ゆっくりですが新潟県内に広まってきている動きを肌で感じています。
全国的にはアレルギーの専門医も「食物負荷試験」をやるケースが増えてきており、開業医でも多くはないですが、実施している医師もいます。これは望ましいことだと思っています。ただ、新潟はそういった施設が少な過ぎます。患者さんに負荷試験の存在を訴え続けることで、負荷試験をやろうとする医療機関が増えてくれればいいなと思っています。
一方、「気道過敏性試験」の方は、「食物負荷試験」の動きとは別に実施している施設はほとんどありません。今後増える見込みもないと思います。
当院の場合、「気道過敏性試験」はぜんそくの症状が落ち着いており、発作も見られないため、そろそろ治療を止めていいかどうかの判断材料として行なっています。これもライフワークと言えます。開業でこの検査をやっている小児科は、全国に何件あるのだろうというくらいのレベルだろうと思っています。
ぜんそくは、気管支が過敏であるが故にちょっとした刺激で気管支が収縮し細くなり、呼吸困難をきたします。無発作の状態が続くと、その過敏さは低下してきます。その過敏さを検査で数値化したのが「気道過敏性試験」です。
検査の結果、ぜんそくのない人と同等くらいの数値であれば、治療は中止してよいと考えています。たまに検査が悪い患者さんがいて、「治療は中止できない」と判断しています。「もう止めていいだろう」と言って中止し、結局治っておらず、またぜんそくがぶり返してくるようなら、患者さんに迷惑がかかってしまいます。
当院の場合、土曜の午後に実施しています。つまり診療が終わった後です。診療中は私の体が空かないので、こういう時間帯に医院に患者さんと親御さんと、私だけが残った形で検査しています。約1時間くらいかかります。
自分のプライベートな時間を割いてでもやっているのは、「プロフェッショナル」としてのプライド以外に他なりません。私の“こだわり”がそうさせています。長年当院にぜんそく治療で通ってくださった患者さんを裏切れないので、こういう根拠を示して、治療を中止するのが筋だと思っています。
先週の土曜は、新潟市で大学教授の講演会がありました。それに行くつもりでしたが、ある患者さんから春休み期間中ということなのでしょうが、その日に「気道過敏性試験」をやって欲しいという希望がありました。診療が終わってそのまま検査をやれば、かろうじて講演会に間に合うだろうと考えました。
この患者さんは2年半くらい前に一度この検査をやっており、数値がイマイチでしたので、治療を継続していたのです。2度目の検査でしたが、今回はクリアとなりましたので、治療は中止してみようという結論となりました。「プロフェッショナル」としての責任は果たせたのかなと思っています。
それから急いで新潟市の講演会会場に向かいました。検査をしなければ余裕で間に合ったでしょうが、若干遅刻してしまいました(汗)。それは仕方ありません。
大学教授は感染症がご専門です。感染症の「プロフェッショナル」としての講演で、聞き応えがありました。
ここで言っておきたいのは、小児科医が一番多く診るのは感染症で、2番目がアレルギーです。毎日のように大勢診ていますので、小児科医は感染症とアレルギーの「プロ」と言えます。
実は「プロフェッショナル」と「プロ」と敢えて言葉を変えました。前者を「プロ中のプロ」と言い換えても構わないと思います。
となると、私も毎日感染症はたくさん診ていますので、一応、感染症の「プロ」と言えるかなと思っています。なるべく正しく診断し、治療に結びつけたいと努力しているつもりです。ただ、今回の教授の話を聞いて、学ぶことが多く、「格が違うな」と思いました。やはり「プロ」と「プロフェッショナル」では力の差は歴然です。
多くの小児科医が「感染症も、アレルギーも診られる」と考えているでしょう。ただ、感染症に関して言えば、教授並みの深さで診療できる小児科医がどれだけいるか?と思います。「感染症を診られる」と言っても、“深み”に差があることを理解しておかなければなりません。
一方、例えば食物アレルギーの診療では、「食物負荷試験」ができなければ「プロフェッショナル」とは言えません。ぜんそくについても治療の中止の判断をするのに「気道過敏性試験」をやるのが「プロフェッショナル」だと思うから、時間を作って試験をやっています。
最近は、市外からもアトピー性皮膚炎の患者さんが多く受診されています。これまでアトピー性皮膚炎と診断がなされておらず、ステロイド軟膏に関する塗り方も含めた指導がなされていないケースも多く見受けられます。それまで皮膚科や小児科にかかっていた訳ですが、これじゃ「プロフェッショナル」とは言えません。こと細かに説明して理解もして頂いて初めて「プロフェッショナル」の対応と言えるのだろうと考えています。
患者さんには分かりづらいでしょうが、「プロ」と「プロフェッショナル」の差を理解して頂きたいと思っています。通っても良くならなければ、その医師は「プロ」なのでしょうから、「プロフェッショナル」を探す必要が出てきます。
こういうことを知れば、医療機関にかかりやすくなるのかなと思っています。


