小児科 すこやかアレルギークリニック

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エピペンのニュース
2011年09月09日 更新

エピペンに関して、嬉しいニュースが舞い込んできました。

これまでエピペンは保険が利きませんでした。私も「しばらくは保険が利きそうにない」と聞いていたのですが、急な話でビックリです。

エピペンとは、アナフィラキシー改善薬と言えます。もともとは特に林業にたずさわる方がハチに刺され、ショックを起こして亡くなってしまうケースが少なくなかったため、導入されました。以前、アレルギー学会でエピペン導入後にどうなったかという話を聞きましたが、死亡が激減したそうです。

食物アレルギーは増加しており、中には重症者もいます。アナフィラキシーショックに至るケースもあります。そのため、食物アレルギーにもエピペンが適応になりました。食物アレルギーは、原因食品が分かっていても、誤食などで重いアレルギー症状を起こすことがあります。

食物アレルギーで亡くなった患者さんを検証すると、治療が30分以内に行なわれていなかったという共通点があります。いざという時のためにエピペンを携行していれば、患者さんの安心につながっていました。

ただ、難点がありました。保険が利かないので高価なのです。患者さんにとっては、自費となってしまい、初めて処方される場合はスターターパックといって練習用のキットも付属しているため、15000円ほどになります。再処方の場合は、それが付いていないので価格は下がりますが、それでも10000円ほどかかります。

しかも、使用期限が1年と決まっており、使わなくても1年経てば、また1万払って買い替えないといけなかったのです。いざという時のために“安心を買う”とは言え、バカにならない出費でした。アナフィラキシーの既往があり、エピペンを持っていた方がよいのに、二の足を踏んでいた親御さんもいらっしゃったかもしれません。

それが今回、保険診療でまかなわれることになりました。
http://www.yakuji.co.jp/entry24235.html

もともとエピペンは、どの医師でも処方できるものではありません。キチンと使い方の講習を受けていないと処方が許されないのです。県内の小児科医では、ごく一部だけだと思います。食物アレルギーの専門医は極めて少ないですし、これでエピペンを持ち、安心できる患者さんが即増えるとは考えにくいと思っています。

ただ、当院などではエピペンを処方している患者さんには福音と言えましょう。陰で食物アレルギーの第一人者の先生方が働きかけて、尽力して下さった結果であることは明らかです。

エピペンは、当初は本人とその家族しか打つことが認められていませんでしたが、2~3年前に救急救命士が打てるようになりました。これも医師から行政への働きかけの結果です。そして、今回のエピペンの保険適応と食物アレルギーの患者さんをとりまく環境が整備されてきています。

あとは、食物アレルギーに理解のある小児科医が増えることが重要です。それが一番の問題と言えるでしょうし、なかなか進まないことが歯がゆいのですが…。