先日、医師会の雑誌をパラパラめくっていたら、専門の開業医の必要性が書かれていました。
ある先生が、広く浅く診る「かかりつけ医」の他に専門的に深く診る「専門医」の開業医が必要だと主張されていたのです。開業医同士が必要時に連携して医療をする必要があるとおっしゃっていました。
そんなことができれば理想です。ただ現実は難しいのです。新潟はアレルギーという学問があるという認識が医療関係者の間で希薄と言わざるを得ません。
当院は子どものぜんそくもアトピー性皮膚炎も、食物アレルギーも専門施設で学んだ知識と技術で診療しているつもりです。多の医療機関でよくならずに当院を頼ってくださる患者さんの症状を改善させていたという実績もあります。しかし、開業の先生からの紹介はありません。「アレルギーくらい診れる」とお考えなのか分かりませんが、明らかに手に負えていないケースであっても、「相談してくれればいいのに…」と思うケースが多々あります。逆に総合病院の先生から紹介があるくらいです。
当院が最も力を入れている「食物負荷試験」も上越では一向に普及しません。患者さんが“標準的”な医療を受けられるように各疾患につきて「ガイドライン」が存在します。食物アレルギーのガイドラインには、「食物負荷試験」で食べられる食べられないの判断する必要があると明記されているにもかかわらず、連携が難しい状況です。
某県では県内の数カ所の総合病院で「食物負荷試験」をやっています。開業医からの紹介があれば外来もしくは入院で「食物負荷試験」を行い、食べられるかどうかの判断をして、また開業医に戻すというシステムが構築されているのです。このシステム自体は素晴らしいものですし、新潟県でもこんなものが導入されれば、食物アレルギーで困っている患者さんが救われると思います。羨ましい限りです。
しかし、ひとつ解せない点があります。また開業医に“必ず”戻さなければならないという点です。
食物アレルギーの知識のない先生が、その後引き続き診ても折角の負荷試験の結果が生きてこない可能性があります。「食物負荷試験」は専門的な知識を持っていなければできませんので、特にいくつもの食品にアレルギーがあるような重症な患者さんは専門医が診るべきなのです。結局、開業医の自分の患者を手放したくないという意図が見え隠れしているように感じるのは私だけでしょうか?。中には自分の所に戻さなければ、応じないとする医師もいたのかもしれません。
“必ず”戻さなければならないという決まりは、患者さんにとってベストなものではないと思うのです。「食物負荷試験」をやってもらい、その先生を信頼できても引き続き診てもらえないということです。患者さんの希望に任せる方がまだ理解できます。患者さん不在の取り決めのように思えてなりません。多種類の食物アレルギーがあれば、アレルギーの専門医に紹介すると「ガイドライン」には書かれているのですが、これは“理想”とということなのでしょうか?。
私なら専門分野以外であり、自分に手に負えないと思えば、躊躇なくより良い医療をしてもらえるであろう先生に紹介します。それが医師として当たり前の判断だろうと思います。そう素直に考える小児科医は少ないと言うことなのでしょうか?。
患者さんの幸せのみを考えれば、医療はもっとスムーズに進むものなのかもしれません。


