小児科 すこやかアレルギークリニック

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私の提言
2010年05月20日 更新

1ヶ月に1回のペースで市の1歳半検診のお手伝いをしています。

1歳半になった子ども達が、正常に育っているかをチェックするのが目的と考えています。中には既に病気にかかっている赤ちゃんもいます。私はアレルギー専門ですから、やはりアレルギーを見逃さないようにしているつもりです。

実は、アトピー性皮膚炎も食物アレルギーもこの年代では10%弱見つかるはずなのです。ぜんそくを発症している赤ちゃんも増えてきている頃です。逆に見逃されている場合は、プロとしてアドバイスする必要があると考えています。

先に述べたくらいの高い頻度であるので、いつも言っている通り、過小に診断されていれば、正しい治療につながりません。すべての小児科医がアレルギーが得意という訳ではないですから、こういった検診でキチンとアドバイスすることは患者さんや親御さんのためになると考えています。

昨年12月からこの春までRSウィルスが大流行したせいもあり、先月の検診ではRSウィルスにかかったと思われるお子さんが多かったです。中には明らかにRSウィルスなのに、マイコプラズマと間違って診断されているお子さんもおり、アドバイスをさせて頂きました。RSウィルスはかかった後もぜんそく症状を繰り返す病気で、アレルギー専門医はこだわって診療をしているのです。

いつも数人見かけるのですが、今回も一見してアトピー性皮膚炎と分かるような赤ちゃんも数人いらっしゃいました。乾燥肌と診断されており、皮膚症状が落ち着いていない状態でした。さすがに“明らか”な場合は、キチンと親御さんに伝えないといけません。アトピーが重い場合は、ぜんそくの合併率が高いと言われています。もしやと思い、「ゼーゼーしたりしませんか?」と聞いてみると、「何度もしたことがあります」との答え。ぜんそくの説明もさせて頂きました。

食物アレルギーのお子さんもおりました。よくあるパターンですが、アレルギー検査だけで診断され、「アレルギー検査が陰性化しないと食べられない」とか「家で“少しずつ”食べさせなさい」などと指導されていました。地元では未だに10年前の指導がまかり通っています。しかも、家で食べさせてアナフィラキシーを起こした場合、誰が責任を取ってくれるのでしょうか?。

食物アレルギーの患者さんが必要最小限の除去となるよう、5年も前に日本小児アレルギー学会が食物アレルギーのガイドラインを作ったにもかかわらず、地元では全く普及していません。どの小児科医も知らないはずはないのです。医学的根拠のあることをやるのが医師の務めのはずです。

患者さんを危険から守るのも小児科医の役目だと認識しています。決してレベルの高くない新潟県の食物アレルギー医療をいつか変えてやろうという意気込みを持って診療しているつもりです。まずは地元に「食物負荷試験」を広める必要があるし、そもそもそれが患者さんの権利だと思っています。「今は医師の目の前で食べられるかどうか判断する検査があるんですよ。」と言わざるを得ませんでした。

通常は当院を受診される患者さんしか、食物アレルギーの専門医の治療の仕方をお教えすることができません。子どものアレルギーがこれだけ増えている状況で、私のこのような地道な活動は意味のあることではないかと思っています。

せめて私のお膝元の上越市において、検診で判明した多品目のアレルゲンの食物アレルギーのお子さんは食物アレルギーの専門医に相談できるシステムを整えられたらいいなと思います。食物アレルギーに理解のある小児科医が少なく、大抵の患者さんがどうしていいか分からない困り果てた状況です。当院を受診された際に、ほとんどの患者さんから「もっと早く受診すればよかった」と言われ、私も切なくなります。

小学生、中学生、高校生の間でアレルギー疾患があまりに高頻度で見られるということから、昨年から学校側にアレルギー疾患用の「学校生活管理指導表」の提出が求められるようになってきています。しかし、1歳半検診では一層頻度が高くなっているのです。しかも、患者さんへの教育は早い方がいいのです。

ぜんそく患者さんが、本当なら治療を継続する必要があるのに、通院を止めてしまうということはよく聞く話です。初期の段階から専門医が介入すれば、もう少しぜんそく治療が楽なると思っています。それくらい重要なことだと思います。

1歳半検診をアレルギーの重症なお子さんをピックアップするために活かせないでしょうか?。上越市だけでなく、他の自治体ももう少しアレルギーという慢性疾患に真正面から取り組んで頂きたいものだと考えています。