新年度が始まる春は、アレルギー診断書の記載を求める親御さんが一気に増加します。
当院は、新潟県で極めて少ない「食物負荷試験」の実施施設です。継続的に、そして専門的にやっているのは地元では当院しかないはずです。アレルギー診断書を記載する際に、ほとんどの小児科医がアレルギー検査結果を根拠に書いているでしょうが、決して正しいものが書けるとは思えません。食物アレルギーの対応は「必要最小限の除去」が基本中の基本なため、“プロ”ならその時点で適切な診断書を記載すべきでしょう。
そのためには「食物負荷試験」が欠かせません。診断書の記載を求めて、患者さんがどっと押し寄せる格好となり、新年度に間に合うようにと1日4~5件の「食物負荷試験」を行ってきました。既に新年度が始まり2週間経ちましたが、今でも3~4件のペースで行っています。アレルギー診断書が間に合わない場合は、母から聴取した現時点での摂取状況で暫定的に書いておき、「食物負荷試験」の結果を踏まえて、最新のより正確なものを書いて提出し直して頂いています。
そんな訳で、かなりのハイペースで「食物負荷試験」を行っているのですが、多くの小児科医が「食物負荷試験」をやったことがない中を、当院は多くやっている分、確実にノウハウの蓄積を増やしているところです。
以前、卵白の数値がクラス2だったお子さんが、最近の検査で0に下がっていました。卵の加工品を食べてアレルギー症状が誘発されたことのあるお子さんでしたので、医院で食べさせた方が安全であろうと考えました。私の恩師からはアレルギー検査が0になったからといって注意は必要だと教わっていましたので、なおさらそうした方がいいと思っていました。
卵焼きで「食物負荷試験」を行ったのですが、食べ進めるにつれて強くはないのですが、蕁麻疹が出てしまいました。いつも言っている通り、「アレルギー検査って当てにならないな」と実感しました。検査が高いから食べられない訳でもないし、検査が陰性だから大丈夫ってことでもないのです。
最近は、魚アレルギーのお子さんも少なくありません。魚の「食物負荷試験」は切り身を30g食べて症状が出ないかどうかを判定することになります。普段、負荷試験をやっていると、食べ始めに口の周りに発赤が出ることがあります。様子をみていると消えてしまうこともあり、その場合は負荷試験を続行することになります。意外なことに、それ以降は症状が出ないこともあるのです。私の場合、これくらいなら「家でまた食べさせてみて下さい」と言っています。
先日、魚の負荷試験をやったお子さんは、少し食べるごとに口の周りに発赤が出たのです。結局、30gを完食したのですが、発赤は出ては消え、出ては消えを繰り返しました。これだと症状が出たと考えるべきなのでしょうが、決して重篤な症状ではないため、家で食べさせていいものか、除去を続けるべきか悩ましいところだと思います。
卵アレルギーのお子さんが多いので、卵焼きの負荷試験を行う頻度が高いのですが、卵白の値がクラス3や4でも何事もなく食べてしまうお子さんもいます。しかし、大丈夫だろうなと思っていたお子さんが、広範囲に蕁麻疹が出てしまうこともあります。
結局「食べさせてみなければ分からない」という結論になってしまうのですが、何百回やってもちょっと予想外の結果になることもあり、「負荷試験って難しいな」と思う日々が続いています。


