小児科 すこやかアレルギークリニック

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病院からのお知らせ

患者さんにプラスになるのかどうか
2010年04月10日 更新

先日、小学生が当院を初診されました。

病院にかかると、もちろんどんな症状で困っているのかを医師に相談することになります。食べると顔が赤くなる“ようだ”と言ったせいか、ある内科でアレルギー検査をやることになったそうです。

検査をすると、卵も牛乳も小麦も陽性だったそうです。その医師の説明は、それらをすべて食べないようにといったものでした。

医師の言うことは“絶対”だと思っている患者さんは多いことでしょう。ただ、私はここで書いているのは、ことアレルギーに関しては医療者の勘違いや知識不足で患者さんが場合によっては追い込まれることもあることを知って頂きたいからです。ちょっと冷静に考えてみると、何年も卵焼きも牛乳もうどんも食べているのです。「突然食べられなくなることってあるの?」と疑問に感じて欲しいのです。

だいぶ前にもここで触れたと思いますが、難治のアトピー性皮膚炎のお子さんが皮膚科でアレルギー検査をして卵が陽性だったために、卵の除去を指示されたそうです。アトピー性皮膚炎のガイドラインには、2歳未満の場合は食物が湿疹の悪化要因になっている可能性を考えると書いてありますが、今回の場合は今まで何十回、何百回も卵料理を食べていた10歳くらいのお子さんに対してです。

いや、いろんな可能性を考えることは大切です。卵を除去してみて湿疹の改善がなければ、その除去の指示を解除すべきではないでしょうか?。「卵が湿疹を悪くしている可能性を考えたんだけど、あまり変化がないみたいだからまた食べていいと思うよ」と言ってくれれば良かったのですが、そのお子さんは1年ほどは卵を食べないようにしていたのです。

小学生のお子さんが、いきなり卵も牛乳も小麦も除去を指示されると親御さんはビックリするでしょうし、「それが原因だったんだ」と信じて、それを食べさせ続けていたことを後悔すると思います。その指導が間違いなければ、患者さんにご苦労をかけますが医療としては正しいのだと思います。嫌な言い方になりますが、何も変化もなければ、患者さんに迷惑をかけているだけと言えると思います。

親御さんはだんだん医師の指導に疑問を感じ、恐る恐る家で加工品から与えていました。牛乳は飲まないようにしていたそうです。うどんも1杯の半分だけ食べていたそうです。今まで普通に摂取していたのに気の毒なことだと思います。アレルギー検査で卵はクラス3と他の食品よりは高かったため、卵料理はほとんど口にしていなかったそうです。これまで何の躊躇もなく食べていたのにです。それだけアレルギー検査は、患者さんに説得力があるということなのでしょう。

内科の先生で食物アレルギーに精通している医師で、残念ながらあまりいないと思います。食物アレルギーの頻度の多い小児を扱う小児科医でさえ、アレルギー検査をもとに食べられる食べられないと判断している現状があります。

医師の発言は重いのです。アレルギー検査が高かったとしても、「ここで食べてはいけないと指示することが患者さんにとってプラスになるのか?」という気持ちは常に持っていて頂きたいと思います。アレルギー検査についてももっと知らないと、ただ単に迷惑をかけただけ、という結果につながりかねないと思っています。自信がなければ、紹介して頂くのが一番です。それが難しいなら、過去のそれらのアレルゲンの摂取状況をよーく聞いてみるべきです。冷静な判断をお願いしたいと思っています。