当院は、食物アレルギーだけでなく、小児ぜんそくも専門的な医療を行っています。
先週末の土曜も「気道過敏性試験」を行いました。気道(気管支)が過敏なのがぜんそくの病態の大きなポイントなので、この試験によって気管支が過敏でなくなっていることが証明できれば、ぜんそくの治療を中止してもいいという根拠になります。
大学の小児科がアレルギーを専門に取り組んでいる県があって、その大学の先生に聞いたのですが、「気道過敏性試験」をやっているのは、その県では大学病院だけだそうです。自分で言うのも何ですが、やる気さえあれば、こんな田舎の開業医でも専門的で医学的根拠のある医療を行うことができるのです。
ちなみに、この検査は1時間ほどかかり、私が個人的にやっているのです。つまり診療時間内に行うことができず、土曜の午後に患者さんに来て頂き、検査しています。「忙しいから時間がない」という言い訳は通用しないと思っています。私を信用して、数年通院して治療に取り組んできた患者さんの信頼に応えるためには、こういう形を取るのが本来の姿だと信じています。
ぜんそくの治療も、以前のものは今にして思えば中途半端な治療でした。発作を起こしたら点滴や吸入で対応するしかありませんでした。ぜんそくの病態がよく分かっていなかったため、仕方ない部分も大きかったと思います。結局、対応としては後手後手になってしまっていた、というのが正直なところでしょう。
気管支に水面下で病気が進んでおり、気管支の“炎症”が悪さをしているのが理解されてきて、ぜんそく治療はガラリと変わりました。その炎症をいかに叩くかが重要になってきました。最近は、気道炎症を抑える内服や吸入の予防薬が治療の中心となってきており、定期的な通院治療が必要になっています。慢性の病気なのですぐには治らないため、病気を予防する、つまり発作をコントロールすることが重要とされています。
子どももそうなってきていますが、特に大人の領域では、フルタイド、キュバールといった吸入ステロイドが主流になっています。当院の親御さんもぜんそくがあった場合、近くの内科で吸入ステロイドが処方されていることも少なくありません。呼吸器内科やアレルギー専門医のいわゆるぜんそく専門の先生以外でも処方されているケースが多いと思います。
先程述べた通り、ぜんそくの病態は気道の炎症なのですが、それによって気管支が収縮し、空気の通り道が狭くなり、発作が重ければ重いほど、呼吸困難を起こします。最近は、長時間作動型の気管支拡張薬というのがあって、発作時に吸入してもらうメプチンやベネトリンの“12時間効き続けるバージョン”という薬があります。一番使われている薬は、セレベントという名前が付けられています。
実は具体的な名前を出しましたが、フルタイドという吸入ステロイドとセレベントという長時間作動型の気管支拡張薬は同じメーカーが作っていますので、その2剤を混ぜた合剤が存在します。アドエアという名前が付いていますが、ある意味、最強の吸い薬な訳です。つい最近、別の会社からシンビコートという同じ合剤が発売になりました。
当院でも、この2種類の薬を配合した薬を子どもから大人の患者さんに使わせて頂いていますが、とても効果的です。数日で症状が改善されてしまいます。そんなこともあって、ぜんそくが専門でない先生も処方されるようになってきています。患者さんにとっては、誰が処方しようとその薬を使って、症状がいち早く改善してくれればいいのだと思います。
しかし、ずっと使い続けていいかというと、場合によっては症状が安定すれば治療をステップダウンする必要もあると思うのです。特に子どもも場合はそういう対応が欠かせません。いい薬ですから、アレルギーが専門でない先生が処方しても問題はないのですが、薬の減らし方や別の薬への切り替えは専門医でなければ難しいと思うのです。使いやすいけど、使いにくい薬とも言えるのだろうと思います。
次回は、アドエアという究極的な薬を使われていたにもかかわらず、症状が改善していないケースについてお話ししたいと思っています。


