小児科 すこやかアレルギークリニック

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残業
2010年01月30日 更新

開業医は、日々の診療を行う傍ら、経営者でもあります。

当院の場合は、困っている患者さんの話を聞き、説明していると時間内に終わらないこともよくあります。もちろんそんな場合には、スタッフが超過勤務すれば、時間外手当を払っています。

診療時間の終わりが迫ると、急にスピードを上げる医師もいることでしょう。もしかしたら小児科の場合、点滴は時間がかかりますので、この時間帯は点滴が避けられるケースもあるかもしれません。

当院はもともと必要最低限の点滴しかしたくないと常々考えていますが、脱水などで点滴をしない方がかわいそうだと思えば、点滴は行う方針でいます。先日、診療終了の前にRSウィルスで熱が続いている赤ちゃんが受診されました。

RSウィルスは高熱が続く場合もあり、ひどい咳込みで睡眠も障害され、体力を消耗します。また脱水にも比較的なりやすく、更に悪化することもあるのです。その患者さんは、熱も持続し、食欲も低下しており、尿量も減ってきていました。さすがに点滴の必要があると判断されました。

ただ、入院するレベルには達していないと判断されたため、その時間から点滴をすることにしました。当然、その日の診察終了が大幅に遅くなります。それは致し方ありません。ただ、熱は3日目であり、この状況が続けば、入院に至る可能性も充分あると考えられました。

RSウィルスだけではありませんが、熱が続いて体力が落ちると、二次感染というのですが、細菌が便乗して悪さをすることがあります。もしやと思い、血液で炎症反応を調べてみると、二次感染が疑われました。点滴の中に抗生剤を追加し、脱水補正と細菌をやっつけようと考えました。

開業医の仕事は、かかりつけの患者さんを守ることです。入院設備は持たないため、比較的重症な患者さんでも入院を避けるのが仕事です。ただし、入院すべき患者さんを何日も点滴に通わせるのはルール違反だと思っています。医師の中で、どの程度なら入院させるかどうか明確な線を引く必要があります。患者全員が外来で治療が可能なら入院施設が必要なくなってしまいます。

点滴をやるからには、何とか入院せずに乗り切って欲しいと思いました。望みを託し、その日は点滴を行いました。あとは1人で事足りますから、看護スタッフと事務員には帰ってもらいました。私は最後まで残っていましたが、経営者でもありますから、残業代は出ません。

早く家に帰ってゆっくりしたいけれど、こればかりは仕方ありません。結局、20時過ぎまで点滴を行い、針を抜いて帰って頂くまでが仕事です。自宅に辿り着いたのは20時半でした。

翌日、点滴の効果をみるために再診して頂きました。作戦が成功したのか、解熱しており、咳も減り、だいぶ楽そうになっているとのご両親のお話でした。結果はどうか分かりませんが、点滴していなければ、入院していた可能性は高いと考えています。

とりあえずは、患者さんの入院のリスクはかなり減ったと思います。努力が報われたのと、差し当たりかかりつけ医としての責任は果たせたのかなと思っています。

今後も当院は、無駄な検査や点滴は行わず、必要な検査や処置は必要なタイミングで行っていこうと考えています。