いま、テレビをにぎわしている話題は「政治と金」にまつわる話だと思います。
以前も、作り置きしていた点滴を多くの患者に繰り返していた整形外科医、格安レーシック手術をうたい患者を集めていた眼科医、必要のない心臓カテーテル検査を繰り返していた内科医などを取り上げました。
先日、インプラントの使い回しなど不適切な治療をしていた歯科医の話題を取り上げました。こういう医師、歯科医師のからんだ金儲け一辺倒の事件は繰り返されています。
この事件についてネットでみていたら、新たな手口が分かってきました。マスコミを使って患者を集めて荒稼ぎをしていたようです。それでも飽き足らずに、いかに儲けるかを考えてインプラントの使い回しをし始めたのでしょう。
日本人は名が通っているとか、マスコミに取り上げられたなどといった“評判”に弱いと思います。この歯科医は、地元のラジオ局や新聞で派手に宣伝していたそうです。また、地元の市で「最多インプラント症例」の歯科医院だと公言していました。この歯科医師のブログでもどれだけ患者が来て、何本のインプラントの手術をやったかが誇らしげに書かれています。記事でも“名医”を装っていたと書いてありました
歯科医院の数は、全国のコンビニエンスストアの数よりも多いと言われています。既に飽和状態であり、勝ち組と負け組がハッキリしているようです。私の記憶では、歯科医の5人に1人がワーキンブプアーと言われています。患者数が少ないため、保険診療では食べていけないため、満足な技術もないまま、インプラント手術に手を出す歯科医が増えているそうです。結局、金儲けを優先するモラルの低い歯科医も出てきてしまう訳です。
この歯科医がインプラントの使い回しをしている疑惑があったため、地元の歯科医師会が地元のラジオ局にこの歯科医院の宣伝放送の中止を求めていたにもかかわらず、中止していなかったために被害が更に拡大したという意見も出ています。要は、地元のラジオ局とグルで、お金で牛耳っていた可能性が高いのです。
この歯科医師がどれだけの知識と技術を持っていたのかは分かりませんが、マスコミを使って知名度を上げて患者を集め、保険の利かない治療を勧めて荒稼ぎをしていたのは明らかでしょう。実際、説明もなく23本の歯をインプラントにされ400万以上の治療費を払った“被害者”もいるのですが、こんなモラルの低い歯科医院に患者が集中してしまうこと自体が不思議ですし、同様な手口で患者を集めている第二、第三の医院、歯科医院はあると思うのです。
多くの患者さんが、この歯科医院を“有名”だからと信頼を寄せていたのだろうと思いますが、マスコミを使った情報操作をしていたと言えると思います。「有名」=「腕がいい」とは言い切れない時代になっているのでしょう。
今回の歯科医師の評判は、高額な治療費を請求された患者さんもいる一方で、「親切でいい先生」、「治療は痛みもなく、とても上手。ここ以外で診てもらうのは考えられない。」という患者さんもいるようです。“営業”用の対応をしていたのでしょうか?。
今回の事件を踏まえると、患者さんが医師や歯科医師を選ぶ場合、何を指標にして選択すればいいのか難しいと思います。知名度や一部の評判だけでは判断できないところがあるのだろうと思います。
同業者なら、この歯科医が不適切な医療をしていたのは知っていたでしょうが、患者さんからすれば全く分からないことでしょう。ただ言えそうなことは、マスコミ等を利用した目に余るような宣伝をしている医院、歯科医院は、気をつけた方がいいと思います。企業ならコマーシャルは当たり前ですが、医療は基本は営利目的ではないため、過度の宣伝はおかしいはずです。
歯科医院ならインプラントを強引に勧められる場合は、他の歯科医師にそれが本当に適切な判断なのかを確認する「セカンドオピニオン」を求めるべきでしょう。医師の場合は保険外の治療はまず行いませんが、大した説明もなく手術や処置を勧められることもあるかもしれません。治療しても症状が改善しなければ、「なぜ良くならないのか」を質問し、今後の見通しを確認すべきでしょう。それでも明確な答えが得られないようなら「セカンドオピニオン」を求めるのも一法かと思います。
医療は、医師や歯科医師が“良心的”に行うことが前提になっていますが、残念ながらごく一部でしょうが、そうではない医師、歯科医師も存在します。自分の身を守るために、患者さんには医師、歯科医師を見極める目が求められる時代になっているのだろうと思っています。


