小児科 すこやかアレルギークリニック

クリニックからのお知らせ

病院からのお知らせ

上には上が、、、
2007年12月10日 更新

今回の学会で非常に驚いたことがあります。国内には食物アレルギーに取り組んでいる専門施設が数カ所あります。私がお世話になっていた福岡病院もそのひとつですが、神奈川県や愛知県にも食物負荷試験を数多く経験している病院があります。「病院」は“診療”の他に“研究”も求められる一面を持っており、そういった病院では負荷試験に関してもスタッフも多く、毎日のように負荷をできるし、緊急時でも対応できるので適していると思います。

一方、「医院」は医師が一人のことが多く、負荷試験をやるにも病院と違い、何かと制約があると思われ、病院並みの数をこなすことは難しいと思っていました。昨年のある学会で1000件にものぼる負荷試験のデータを提示されていた北九州にも開業の先生がいらっしゃいました。それでも「すげーなー」と思っていたのに、今回の小児アレルギー学会の食物アレルギーのシンポジウムで講演された関西の小児科の先生で、年間1000件で過去10年以上食物負荷試験に取り組んでいる先生が存在することが判明しました。単純計算で10000件…。ビックリです。

負荷試験は、非常に手間もかかりますし、上手にやらないとリスクを伴う危険性があります。本来なら手間賃でももらわないと割りの合わない検査ですが、その先生の土曜の発表の際に会場から「検査費用はどうしていますか?」との質問に「ボランティアです」とにこやかに答えていらっしゃいました。私も目の前の子が何をどれだけ食べられるかどうか確認したい、早く制限を解除してあげたいという気持ちで対応していますが、桁の違いに「恐れ入りました」って感じです。

本来なら気管支ぜんそくの治療のガイドラインのように食物アレルギーの負荷試験にも誰でも気軽に行えるマニュアルができるといいのですが、負荷試験にもはふた通りあります。ひとつは卵の加工品を量を決めて負荷する方法と、あくまでゆで卵を何グラム食べられるか確認する方法があると思います。研究という意味では後者が適していますが、個人的にはゆで卵を1グラム食べられてどれだけの意味があるのだろうかとも思います。それなら卵を1グラム分含まれるお菓子を食べられた方がお母さんの満足度は高いのではないかと思ってしまいます。

食物負荷試験を行う施設は全国的に少しずつ広がってきたとは言え、先程の何を負荷するかということのほかに、方法論として最初に食べさせる量がどれくらいで、何分間隔で、どれくらいの総量を食べさせるのか、各施設で異なっています。それをひとつのパターンにまとめあげることなんてできるのだろうか?って思います。負荷試験のガイドライン化は今後も時間をかけて議論されるべきだと考えています。それまでは私は私なりのやり方で、しかも私のペースで患者さんに貢献していきたいと考えています。