土曜日に行われた「食物アレルギー研究会」に看護スタッフ3人を合わせた合計4人で参加してきました。新潟県から参加された先生はいらっしゃらなかったようでした。
研究会は、食物アレルギーに力を入れている小児科医がまだまだ少なく、参加は医師だけでなく、看護師、養護教諭、栄養士、一般の方も含まれていましたが、慈恵会医大の学生の教室が満席になるほどではありませんでした。まだまだ関心を持っている関係者の数が多くないと実感しました。
ただ、実際に参加してみて、医院を閉めてまで行った収穫は確実にありました。新潟県では誰も知らないような先取り情報を今月23日にアレルギー勉強会で、お教えしようと思っています。詳細は後日、お知らせ致します。
新しい情報としては、ひとつ公開しちゃいましょうかね。腎臓病や心臓病のお子さんは病気の程度によっては、激しい運動が制限されてしまいます。それを証明するものとして医師の記載した「学校生活管理指導表」を学校側に提出することが求められていました。この春から、増加の一途をたどるアレルギー疾患に関する指導表の提出を求められるようになるそうです。
私は、“新潟県”ではかなり食物アレルギーにこだわった診療を行っているつもりです。でも自分のことを“第一人者”という程おこがましくはないつもりです。全国にはもっと長年食物アレルギーの医療に携わってこられた優秀な先生方もいらっしゃいます。そういった先生方は食物負荷試験が保険で認められる前から、食物アレルギーの子供たちに栄養を摂らせたい一心で負荷をやってこられた方たちです。6年前からやっている私なんかよりは、歴史もご経験も違って当然です。数段ハイレベルなことをやられています。看護スタッフは往々にして自分の医院の“院長”がどれだけのレベルなのか分からないものと思います。昨日、研究会に参加してみて、食物アレルギーの奥の深さ、全国の第一人者の先生の素晴らしさを理解してくれたことと思います。でも私の食物アレルギーにかける“思い”や“情熱”、“治療方針”はその先生方と同じだということも納得してもらえたと思います。それを分かってもらえたことも、看護スタッフを連れていった“収穫”の一つでもありました。
研究会の中で、医療を動かすためには「行政」の力も不可欠だということも理解しました。卵や落花生などの食品表示義務や今回の管理指導表などもそうです。食物アレルギーは“食べると危険だから食品を除去するように”では問題解決はせず、「栄養士による栄養指導」も大切になってきます。ちょっと耳の痛い話なのですが、食物アレルギーの医療も進んでいるのに、いまだに10年前の知識で食物アレルギーの子供たちを診ている医師や、0歳の時に卵で蕁麻疹が出てからずっと卵の除去を解除する指示をせずに、中学生になって専門医を受診するようなケースがあとを断たないようで、小児科医のレベルアップも必要であるという話も出ていました。
もうひとつ情報を出しちゃいましょうか。2年程前に食物負荷試験が「入院」の上でならコストが取れるようになり、それの結果負荷試験が少し普及したという経緯があります。どうやら近々「外来」でも認めてもらう方向で動いているようです。そうなると、負荷試験が更に普及する可能性が出てきます。私はちょっと反対です。食物負荷試験は小児科医とはいえ、非専門医が教科書をちょっと読んだくらいではすぐに身に付くような代物ではないからです。見様見まねで子供たちをアナフィラキシーなど危険な状態にしてしまわないか心配です。慎重に議論を進めて頂きたいと思っています。
研究会の中で、どれくらいの小児科医が負荷試験をやっているのかというデータが出ていました。負荷試験をやっている施設数を地域別でみてみると、アレルギー専門病院やアレルギーを研究している大学病院のある都道府県ではそこで研修した先生が開院しても負荷試験を行っているようで、関東や中部、関西、九州などで多い結果でした(30~90施設)。一方、北海道は4施設、東北は6県で7施設のみでした。みなさんご興味のある新潟県は“中部”に含まれていましたので、新潟県のみの数は分かりませんでした。
話が止まらなくなってしまいました(汗)。今日はこの辺にしておきます。ただ言えることは、残念ながら新潟県は恵まれた環境にはありません。私も含め、小児科医が食物アレルギーの患者さんやご家族のために、本気になって頑張らないと全国的な流れについていけないと思います。


