少し前の日曜にテレビを観ていたら「いつみても波瀾万丈」という番組をやっていました。
ゲストは元巨人の桑田真澄投手でした。彼は「桑田真澄の野球は“心の野球”だ」と言っていました。ちょっとクサい台詞だと思いましたが、引き込まれるように番組に見入ってしまいました。“野球の神様”に感謝しながら、野球選手としては恵まれていない体格をフルに活用して精一杯プレーしたのですね。残念ながら目標としていた通算200勝は果たせませんでしたが、完全燃焼だったのだと思います。2歳の時からボールを握り、野球一筋に生きてきた様子が分かり、男として尊敬すべき生き方をされていたんだと気付かされました。
私は桑田投手のような卓越した才能は持っていません。一人の小児科医として、平凡な人生を送っていくのだと思います。しかし、こんな自分にも患者さんにできることはないかと考えるようになりました。私の考える患者さんへの「サービス」とは以下のようなことです。
患者さんへの病気の説明は、より長く、より丁寧にをモットーにしています。「3分診療」ではまともなアレルギーの説明ができないと思っています。医者の間では“5分ルール”と言われていますが、この春から一人の患者さんに5分以上診療時間をかけないと減益となるシステムが導入されました。能力のある医者は仕事が速いので、診察に5分もかける必要がないと言って、システムの撤廃を求めています。しかしアレルギーという慢性の病気に関しては、5分で説明が済むと言う専門医はいないと思います。説明したり、指導するべきことが沢山あり過ぎるのです。
「医は仁術」とは言われていますが、医師は慈善事業でやっている訳ではないので、検査や点滴などの処置を多くするドクターもいると思います。小児科は子供が対象なので、検査や処置はどれも子供の嫌がるものばかりです。小児科医として、また一人の医師としても必要性がさほどないと思われる検査や処置は、しない方針です。
薬も3日出して、3日後に受診して頂くようなことはしていません。ごく一部の入院の一歩手前と思われるケースは翌日再診して頂くこともありますが、喘息の調子を崩したくらいでは、1週間後に受診して頂いています。ぜんそくは、発作を起こさせないように治療していると、風邪を引き金に発作を起こしても軽い発作済むことがほとんどです。点滴や吸入に連日通うようなことはまずありません。
アトピーも、皮膚の状態をみて薬を選択すると1週間後の皮膚の様子がだいたい分かりますので、ほぼ全員1週間後に受診して頂いています。
外来で定期的に経過を追う時も、ぜんそくだと乳幼児は2週間、それ以上では1か月処方しています。アトピーでは、塗り薬をたっぷり出して、薬のなくなる頃に再診して頂いています。
当院は、慢性疾患の患者さんが多いので、病気のことを理解して頂き、定期通院の必要性を充分理解して頂き、より通院しやすく配慮しているつもりです。経営のことを考えると、概ね逆のことをしなければなりませんが、私の“生き方”なので、これは譲れません。桑田投手風に言うならば、これが当院の考える「心の医療」です。
アレルギーで困っている患者さんが、こんな医療を提供してくれる医院があったんだと思って頂けるようなサービスを行っていきたいと思っています。


