少し前に、東京の眼科での集団感染がニュースになっていました。一部の患者さんが失明の危機もあるそうで、とてもお気の毒に思っています。
そもそも、何でこんな事故というよりは事件が起きてしまったのでしょう?。
多分、東京は人口も多いでしょうが、“ライバル”である同業の眼科も多いことでしょう。つまり患者の争奪戦が繰り広げられているのだろうと思います。となると他の医療機関との差別化、つまり「売り」が必要になります。集客するには患者さんに対して何らかのメリットが求められるでしょう。
本来なら、勉強して技術を磨いて良心的に診療すれば、患者さんは集まってくれると思います。それが一番の“宣伝”になると思います。しかし、そう考えない人もいるのですね。
例の眼科の医師は、手術費用を激安とうたって宣伝して、顧客を集めていたようです。レーシック手術は保険が利かないので、各医療機関で値段を決めています。相場はネットで調べると、両目で15~40万円だそうですが、この眼科では95000円だったそうですね。しかも、紹介キャッシュバックが2万円ですから、75000円でできるとのことです。この辺りで、だいぶ怪しい雰囲気を醸し出していると思うのですが、この不景気ですから、当然安い方に流れます。患者さんが殺到したそうです。
そして、この事件が起きました。テレビニュースでコメンテーターが「金儲け主義だ」と言っていました。院長も反論の余地はないと思います。
医師は、技術を磨く努力をすべきだと言っています。今回もキチンと講習を受けた専門医しかレーシック手術が許されていないのに、それさえも受けていなかったそうです。こういう医師は、学会などに出て勉強することはあまりしてないのではないかと思います。その理由は簡単。診療を休めば、売り上げが落ちるからです。
適正な手続きも踏まずに、金儲けの医療ができてしまうことにも問題はあると思います。まだ記憶に新しいと思いますが、昨年、三重県の整形外科で点滴を作り置きして感染症を起こさせ、患者さんを死に至らしめた事件がありました。現実として“医療”を金儲けの手段に使う許し難い行為が繰り返されています。
そりゃ誰だって、効率よくお金を稼ぎたい、より多く儲けたいという気持ちはあるでしょう。聖職である医師がこの有り様です。「医は仁術」とはもう昔の話なのだろうと思います。
私も詳しくはないのですが、会社の経営管理を表すのでしょうか、「ISO」というのがあります。ネットで調べてみると、品質管理体制を規定するための規格のようです。私は「ISO9001」のようなものが医療機関にもあったらいいと思うのです。
つまり、定期的に学会などに参加して勉強もして、新しい的確な技術を磨き、よく説明し患者さんの病気が改善されれば優良な医療機関と認定されるようなものがあればいいと思うのです。昨日の話のように「ガイドラインを遵守しているか」や「自分の手に負えないと判断されば速やかに専門医に紹介する」ことも大事なポイントになると思います。
これが患者さんにも公表されれば、どんな医療機関も必死に勉強し、よりよい医療を目指すと思うのです。「うちの子はアトピーのようだけど、どこに行ったらいいかよく分からない」などと思っていらっしゃる親御さんは少ないと思います。こうシステムがあれば、患者さんにとっても有効だと思うのですが。


