小児科 すこやかアレルギークリニック

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スーパースター
2009年04月27日 更新

25日は恩師の退官記念講演と祝賀会がありました。その日は休診にしてしまい、かかりつけの患者さんにはご迷惑をお掛けしました。

あるホテルの8階が会場だったのですが、エレベーターで昇って扉が開いたら、大勢の参加者の姿が目に飛び込んできました。予想を超える盛況ぶりにビックリしました。

受付のテーブルの右端に知っている先生が応対していたので、「こんにちはー」と声をかけたらタ行は向こう側ですと言われました。そうです、参加者があまりに多くて、受付がア行、カ行、サ行と分かれていたのです。それを理解し、受付を済ませました。

病院スタッフに聞いてみると、600人くらいの参加があったそうです。すべてがアレルギー関係の小児科医という訳ではなく、重症心身障害児(者)や看護学校、養護学校など諸々の関係者が参加されたようです。

まず退官記念講演では、これまで患者さんのことを考え、脇目もふらずに突っ走ってきた病院での36年間を振り返る内容のお話を時折ユーモアを交えて、講演されていました。

当時お勧めのぜんそく治療が、今のレベルからすればかなり低く、小児ぜんそくの死亡率が過去にない程極めて高かったこと、恩師が日頃から診ていても重症なお子さんの中には死亡例もあったこと、正義感の強い恩師はその現状を何とかしようと日々頑張っていたことなどが語られました。

恩師は、日本で最も重症のぜんそく児を一番たくさん診ている先生といって間違いはないと思います。臨床だけでも忙しいのに、肺機能検査やぜんそくの有病率など、精力的に研究も行い、膨大なデータを元に学会発表も併せて行われていました。

さらに、アレルギーの子どもを巡る環境を整えるには、法律を制定する必要があり、いわゆる政治力も求められます。退官祝賀会には、皆さんもご存知の超有名な衆議院議員も挨拶をされていました。

何と言っても根底にあるのは、患者さんひとりひとりに正面からぶつかっていく真摯な姿勢だと思っています。それが高じて日本のアレルギーの第一人者となり、各種の「ガイドライン」を作成され、日本の医療の向上に貢献してこられたのです。先日も“熱い”小児科医の話題を取り上げましたが、これまで出会った小児科医の中で間違いなく一番“熱い”のは恩師だと確信しています。

これまで多くのアレルギーの患者さんの主治医をされてきました。多くの患者さんから今でも厚い信頼を寄せられています。今回の祝賀会の参加者600名のうち100数十名は患者さんとそのご家族だそうです。こういう小児科医は他にいるんだろうか?と思ってしまいました。驚いたことに、祝賀会の中で患者さんの有志が壇上で挨拶をしていましたが、何と私よりも年上の患者さんもおりました。30年以上主治医として、アレルギーの患者さんの健康を守っていたということになります。

ぜんそくがあまりに重症で、通常の学校生活を送ることができないお子さんの場合は、「長期入院療法」といって入院治療しつつ、養護学校に通うという治療をされたいたので、時には父親代わりとして接していたそうです。愛情がなければ、なかなかそんなことはできないものです。

先日も書きましたが、人間的な能力や器の大きさでは、到底かなわないのは分かっています。小児科医の「スーパースター」と言っていい存在ですから。しかし、そんな恩師の下で勉強させて頂いた者として、患者さんのことを思い、専門的な知識を駆使して最良と思われる治療を行う姿勢は真似できそうだと考えています。

治療しても症状が良くならないと当院を受診して下さるアレルギー患者さんが多いようです。これからも学会に参加するなど新しい治療法にも目を向け、永年主治医として期待されるような、「アレルギーならすこやかアレルギークリニック」と言われるような的確な医療を行っていきたいと強く思いながら福岡を後にしてきました。