小児科 すこやかアレルギークリニック

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優先順位
2009年09月08日 更新

最近、新型インフルエンザのワクチンについてよく質問を受けます。親御さんの関心の高さを伺い知ることができます。

少し前にも書きましたが、現在のところ医療関係者だから特別に情報が入ってくる訳ではありません。一般の方々と同じようにテレビやネットで情報を仕入れているのみです。

先日、新型ワクチンの優先順位の案が公表されました。「医療従事者」、「妊婦と基礎疾患のある人」、「1歳から就学前の幼児」、「1歳未満の乳児の両親」という順番です。

小児科が関係しているのは、まず2番目の「基礎疾患のある人」です。アトピー性皮膚炎が含まれるかは分かりませんが、ぜんそくは入るようです。そして3番目の「1歳から就学前の幼児」、あと希望があれば「1歳未満の乳児の両親」も関わりそうです。

ここで疑問があります。慢性疾患であるぜんそくを誰が診断するのかというものです。専門か、専門でないかで診断能力は大きく変わってしまいます。

現実問題として、ゼーゼーしても“風邪”とか“マイコプラズマ”と診断されているお子さんもいます。専門医が診れば明らかにぜんそくなのに、専門医が診ていないからぜんそくと診断されていないケースは少なくありません。

ハイリスクとされるぜんそくを見逃してはなりません。ワクチンを受けられずにかかって重症化してしまったら目も当てられません。我々医師は、日頃から適切な診断を行う努力をしなければならないのです。

インフルエンザワクチンは、接種すればする程に医院の収益が上がります。ぜんそくの診断を確認する方法はありませんので、多く接種したいがために接種希望者をぜんそくに仕立て上げるような医師も出てくると思います。いろんな医師がいるので、何のための優先順位かということになりかねないと思っています。

ところで、新型インフルエンザのワクチンの実施は11月とか、12月にずれ込むなんて情報もあります。国の試算では新型インフルエンザのピークは10月と言われています。もしかしたら収束しかけている頃にワクチンの接種が開始になるかもしれません。つくづく日本の新型対策は後手に回っているなと思います。私が医療関係者だからそう思うのかもしれませんが、健康あっての景気対策であることは明らかです。民主党など国に真っ先にお願いしたいのは目前に差し迫っている新型インフルエンザ対策だと思っています。多くの犠牲者が出るなんてことは避けて頂きたいと思っています。

現在、新型が流行期に入っていますが、かと言って12月か来年の1月からは季節性のインフルエンザが流行するものと思われます。患者さんは新型と季節性の2種類のワクチンを打つことになると思います。新型のワクチンにだけ目が行って、季節性のワクチンを受けるタイミングを外してしまわないように注意して頂きたいと思っています。

当院は、ぜんそくの患者さんを大勢抱えています。ぜんそく患者さんが新型にかかると重症化しやすいと言われているのはご存知でしょうが、季節性インフルエンザでも同じことが言えます。

季節性インフルエンザワクチンの料金は、各医療機関では3000円のところが多いようです。ぜんそくの患者さんになるべく受けた方がいいと薦めるには、第一にぜんそくの悪化を防ぐためです。更にはこの不景気の状況でもありますし、当院の収益を減らしてでも受けやすくする必要があると考え、2500円に設定しています。患者さんへのサービスとして、より多くの患者さんに受けて頂くには、接種料金を下げる以外に思いつきません。これは当院の“企業努力”でもあり、良心の表れと考えて頂けると嬉しく思います。

最新情報では、地元の医師会が指定した医療機関でしか新型インフルエンザのワクチンを受けられないという話もあります。多分、医院ではなく総合病院になるものと思われます。限られた数の総合病院で、混乱なく接種ができるのだろうかという心配も正直ありますし、当院で診ているような重症な卵アレルギーの患者さんを受け入れて頂けるのだろうかという不安もあります。

いずれにしても、これからしばらくは季節性のワクチンも考慮に入れつつ、新型インフルエンザのワクチンのニュースには注目していて頂きたいと思っています。