大胆なタイトルをつけてしまいました(汗)。
いま、野球ファンが今か今かとその達成を心待ちにしているのが、イチロー選手のメジャーリーグにおける9年連続200本安打です。現時点であと5本。永いメジャーリーグの歴史の中で誰も成し得なかった大記録です。私も早く達成して欲しいと願っています。
アレルギーを専門にやっている小児科医の大舞台と言えば、日本小児アレルギー学会です。毎年11月か12月に日本の第一人者の先生が幹事となり、学会が開催されています。
私は平成13年に福岡のアレルギー専門病院で研修をさせて頂きました。それ以前もぜんそくやアトピー、食物アレルギーの子ども達を診ていましたが、今思えば患者さん達に申し訳ないくらいの低レベルな医療しか行えていませんでした。
平成13年を境に、私は変わったと思います。「これだけは負けない」という得意分野を身につけ、診療にメリハリがついたように思います。患者さんにも自信を持って、丁寧に対応できるようになったのではないかと思っています。
少なくともその時点では、最新の小児アレルギー医療を自分なりに吸収させて頂きました。しかし、何も努力しなければその“最新知識”もバージョンアップされることもなく、廃れてしまいます。
自分が一線級の知識や技術を持ち続けるには、勉強し続けるしかないのです。福岡で修行させて頂いてから、私はある決意をします。小児アレルギー学会に出続けることです。“出る”というのは「参加」することでもありますが、「学会発表」することを自分に課したのです。
人前で話すのが得意でない私は、勉強もあんまり好きではなかったので、学会で発表するのが二重の意味で苦手でした。若い頃は先輩医師から言われて発表させられていた、というのが正直なところでした。福岡から帰ってきてから、つまり平成14年の小児アレルギー学会から「学会発表」を自らの意志で行うことを自分へのノルマと決めたのです。
参加するのは簡単です。特に準備することなく、学会会場で先生方の話を聞いていればいいだけですから。しかし、「学会発表」となると話は別です。自分の臨床や研究の成果をアレルギーのプロに聞いてもらうのです。レベルの低いものでは、却下されてしまいます。それには発表に耐えるだけのクオリティが求められます。日頃から学会に参加して勉強していないと、それだけの価値があるかどうかの判断ができません。しかも忙しい診療の合間に発表の準備を時間をかけてやらなければならないのです。「今年は発表を止めておこう」なんて弱気になったこともありますが、弱い自分にむち打って頑張ってきたつもりです。
そこでタイトルの種明かしですが、平成14年以来8年連続9回目の「学会発表」を続けています。今年の12月も佐賀大学の教授が小児アレルギー学会を主催されますが、そこでも発表を行うことが許されています。ちょうどイチロー選手が渡米して、年間200本安打の記録を作り始めた頃とほぼ一致しているのです。私がイチロー選手を勝手にライパル視しているだけですが、自分の中ではどちらの記録が先に途絶えるのか、と思っています。
ちなみに、新潟県ではこれだけこだわって発表を続けている小児科医はあまりいませんが、全国には毎年のようにずっと発表している先生がいらっしゃるので、私のは「大記録」とは言えません。イチロー選手を引き合いに出すのは、ちょっとおこがましいかなと思います。
でも怠け者の私が、こうやって自分なりに努力し続けるのは、自分への挑戦でもありますし、私を育てて下さった恩師の先生の足元にも及びませんが、それでも近づきたいと思う気持ちだと思います。そして患者さんに一線級のレベルの医療が提供できれば、言うことがないと思うのです。
当院の標榜は「小児科・アレルギー科」です。私はまだまだ学ぶことが多く、個人的には「アレルギー科」を名乗る最低レベルだと思っています。それなりに通用するとは思ってはいますが、学会でメジャーリーガー級のすごい先生方を目の当たりにしているからです。
当院以外にも「小児科・アレルギー科」はいくつも存在します。敢えて言わせて頂きますが、ぜんそくを“風邪”、“マイコプラズマ”、アトピー性皮膚炎を“乳児湿疹”、“乾燥肌”と診断しているのは「アレルギー科」の先生も含まれます。その結果、過小診断、過小治療になってしまっているのです。
しかし、「アレルギー科」の標榜は自由ですので、こんなことが起きるのです。中には、院長ブログに「自分はアレルギーを勉強や研究している訳ではないが、アレルギー科と標榜しても許されるでしょう」なんて書いている先生すらいます。また、学会開催の時期はインフルエンザのワクチン接種と重なるため、学会に参加されることもないようです。アレルギーを専門に頑張っている医師のいたたまれない気持ちを少しは理解して頂けると思っています。
結局のところ、患者さんは本物を見極める目を持たなければならないと思っています。ではどうしたらよいか?。学会に参加しなければ「アレルギー科」と標榜できなくするということはできないのです。
日本アレルギー学会のホームページから探すと、例えば「新潟県」の「小児科医」で日本アレルギー学会が認定する小児科医を検索することができます。ただ、ごく一部に認定はされていないけれど、充分な専門的知識を持っている小児科医もいますし、資格は持っているけれど食物アレルギーの食物負荷試験をやっていないケースもあります。
最終的には、医師のポリシーや良心に依存する部分は大きいのだろうと思います。アレルギーで困っているお子さんを持つ親御さんには参考になると思いますので、検索してみて頂きたいと思っています。
http://www.jsaweb.jp/general/list.html


