新型インフルエンザの流行が拡大しているようです。
親御さん達の不安をかき立てるつもりはないのですが、この状況はしばらく続くものと思われます。もう1ヶ月くらい前のことだったでしょうか。北海道で大流行し、休日の急患センターが発熱の患者でごった返し、診察を受けるのに6時間とか8時間待ちとかニュースで報道されていました。
あの当時は、東京や大阪、福岡など大都市で流行っていたと思います。福岡の知り合いに状況を聞いてみると、幾分下火だがまだ患者さんは多いということでした。言葉が適切かどうか分かりませんが、ダラダラと流行が持続しているようです。
驚いたことに、市内でインフルエンザB型と診断されたお子さんがいるとあるお母さんからお聞きしました。インフルエンザは季節性はA型とB型があります。紛らわしいことに新型もA型に属します。A型の新しいバージョンとお考えください。巷で流行っているA型のインフルエンザは「新型と考える」のが基本となっています。B型が出たとなると、間違いなく“季節性インフルエンザ”ですから、院内の隔離は気を遣わなければなりません。新型インフルエンザにかかったからといって、季節性のA型にもB型にかかってしまう可能性があるからです。
今月後半や来月からは、例年流行る季節性のA型が出てくることでしょう。医療機関で調べる検査キットではそこまで区別できないため、これから混乱が予想されます。国は区別する方法を提示してくれてはいません。結局、現場にツケが回ってくるのだと思います。
連日のように新型インフルエンザに関するニュースが流されています。これまでかかった患者の8割が20歳未満という報道もあり、若年者にいかに多いか分かります。入院するケースも子どもに多いため、国が健康な小児に関しても接種を前倒ししましょうということになったのですが、現場では肝心のワクチンが不足しているのです。
個人的には子どもを守るために小児科医を志しましたので、将来の日本を支える子ども達に接種を優先することには賛成します。しかし、足りないワクチンをどうやって接種すればいいのでしょうか?。
県からは各医療機関に、一方的に「今回はこれだけあげるね」って感じで2週間ごとに通知が来ています。その手紙に「次回も同程度の量を配分する予定です」とも書かれていました。これまでは基礎疾患を持つ子どもに対し配分されてきて、12月からは健康は小児にも接種するように言っておいて、配分量が同じってどう思いますか?。どう考えても、健康な小児が多いし、接種希望者は多いのです。
子どもは新型ワクチンも2回接種が基本です。同じ配分量なら1回打った子どもの2回目分にしかなりません。つまり、健康な子どもに新規に接種することはできないことになります。もしくは、新規のお子さんに打てるけれど、1回目を受けたお子さんの2回目は未定ということになってしまいます。
「健康な小児に前倒し」と大々的に報道しておいて、こんな現状です。これまでも国や県の対応の不十分さを指摘してきたつもりですが、一事が万事こんな感じでゴタゴタ続きなのです。国や県の危機管理能力は大丈夫なんだろうかと、この先も不安だらけです。
当院も配分が充分でない中で、かかりつけの患者さんにせっせと接種しています。ぜんそくの患者さんだけで何百人も診ていますので、まだ基礎疾患のある子どもに対し接種をしている段階です。ぜんそくのないアトピーや食物アレルギーのお子さん、基礎疾患のないお子さんにも接種を進めていかなければならないのですが、国がぜんそくなどの基礎疾患のある子を優先すると言った以上、2回目の予約を確保した上で接種をしていかなければなりません。1回打っておいて「ごめん、2回目はないからよそで打ってもらえる?。」とは言えないのです。
12月になれば新型ワクチンが潤沢に手に入ると思っていたのですが、これまでの国や県の対応をみていると、そうではないようですし、言い方は悪いですが素直に信用できない状況です。見込みのないのに予約を取るほど厚顔無恥ではないし、お金に執着しているつもりはないので、現在のぜんそくの患者さんのみから徐々に接種の対象を増やしていくつもりです。予約をしたくてしびれを切らしている親御さんは多いと思いますが、現場のみが知っている新型ワクチンに関する状況もご理解頂きたいと思っています。
子ども達を守るために接種は進めていきたいと思っています。体制が整いましたらホームページで案内をしたいと考えています。


