水曜の午後は、当院は休診とさせて頂いています。
その水曜の午後は、1週間の後半を乗り切るために鋭気を養う時を過ごせればいいのですが、毎週のように何らかの予定が入っており、なかなか休めません。
私の診ている患者さんが、重症化して入院を余儀なくされた場合、すぐ近くの病院に紹介することが多いので、時間のある場合はなくべく病室に顔を出すようにしています。水曜の午後がチャンスなのです。今は高熱の続く風邪が流行しており、入院してもなかなか解熱しないようです。早く良くなって欲しいと思っています。
また、講演の打ち合わせも行いました。上越の小学、中学、高校の先生を対象に、アレルギーについて話をすることを依頼されています。
アレルギーの緊急の対処法について話をするように聞いていましたので、当初は食物アレルギーで蕁麻疹からアナフィラキシーショックを起こした時の対応を話して、残りの時間は食物アレルギーについては学校関係者の間でも誤解が多いので、基礎知識や食物負荷試験について話をすればいいと考えていました。
また、ぜんそくは夜から朝に発作が出やすいため、学校で出るとすれば「運動誘発ぜんそく」です。読んで字の如く、体育の時にゼーゼー言ったり、息苦しくなったりするのです。運動誘発ぜんそくが起きた時も、どう対処すべきかも触れようと思っていました。
担当の方と打ち合わせをしたところ、触れなければならない箇所が多いことが判明しました。時間が足りるだろか?って感じです…(涙)。
最近は、思春期になり、アトピー性皮膚炎の悪化するお子さんが少なくないようです。ステロイド軟膏について誤解も多く、この年代になるといろんな皮膚科、小児科を回り、諦めて治療を止めてしまっている患者さんもいるようです。ガイドライン推奨の治療についてお話しし、また治療の向かう患者さんを増やせるような方向に持っていけたらと思っています。
先程、運動誘発ぜんそくについて触れました。「ゼーゼー言ったらこれを吸うように」と指示され、気管支拡張薬を吸っているお子さんもいるようです。ちょっと待ってください。運動誘発ぜんそくが出やすとすれば、喘息が治っていないことを表しています。運動してぜんそくが出ることが分かっているのなら、なぜ予防しないのですか?。
多分、専門でない医師が対応しているのだと思いますが、こういう時は「肺機能検査」が有効です。先日も、運動するとゼーゼーいうお子さんが受診されましたが、親御さんはぜんそくが治ったものと思っていましたが、「肺機能検査」は正常ではなく、運動誘発ぜんそくが出やすいことが判明し、治療を再開させて頂くことにしました。苦しくなってから吸入するのでは、後手後手の対応ですよね?。ここは専門医の腕の見せ所といえます。キチンとした対応をお伝えしようと思っています。
市内のお子さんで、小麦による「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」を起こすお子さんも当院で診ています。一度は意識消失にも至っています。「エピペン」というショック改善薬を処方していますが、今は学校でショックに至った場合、学校の先生もエピペンの使用が許されています。もしかしたら、最も知りたい方が多いのかもしれず、これも解説しようと思っています。今、話題の「経口減感作療法」も欠かせないでしょう。
この辺が話のポイントかと思っていましたが、打ち合わせの中でもっと課題が出てきました。「心因性咳嗽」です。中には客観的にはそうでもなさそうなのに、「息苦しい」と訴えるお子さんもいるようです。ぜんそくを隠れ蓑にしようとしているケースもあるようなのです。この場でも心因性咳嗽について触れていますが、区別は医師にも難しいようですが、簡単に見極めるポイントがあるので、それを伝授しようと思っています。何らかのストレスがそうさせている訳ですから、私にはできませんが、カウンセリングなり適切な精神面でのフォローも必要になることでしょう。
まだまだあります。「慢性蕁麻疹」といって、蕁麻疹が毎日出るお子さんもいるようです。内科にかかり検査で「異常がない」と言われたそうですが、毎日蕁麻疹が出るのは明らかに異常です。そもそも検査は異常が出ないことがほとんどでしょう。本人は痒いし、しょっちゅう出れば憂鬱にもなります。症状を消し去る努力も必要なのです。
中学、高校生ではアレルギー性鼻炎の頻度は10%近くに上ると言われています。スギ花粉症の他に、ハルガヤ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなどの花粉症も時々見かけます。私のよく言うガイドラインはアレルギー性鼻炎用も存在します。ガイドラインに沿った治療法も解説しようと思いますが、実は完治が難しい病気なので、それも事実としてお話ししなければならないと思っています。
小学生は小児科にかかるでしょうが、中学、高校となると内科にかかることが多いと思われます。食物アレルギーに詳しい内科医はそうそういないですし、ぜんそくもかかっている先生が消化器内科などであれば、呼吸器内科医とは異なり、専門的な治療が行われていないこともあるでしょう。心因性咳嗽も見抜けないことを多いと思います。
アトピーも良くなっていないにもかかわらず、同じ薬を出し続けられて治療を諦めていることもあると思います。湿疹が良くならなければ、なぜ良くならないのかを考えなければならないはずです。顔の湿疹が良くなければ、ステロイド以外の薬も有用なのですが、処方されていないことも多いのです。専門医にかかれば、もう少し良くなることもあるのです。簡単に諦めて欲しくないと思っています。
私のアレルギーの知識は完全ではありませんが、最近は各アレルギー疾患についてのガイドラインができています。私もそれを参考に、治療を薦めさせて頂いておりますので、おかしな対応はしていないはずです。
ガイドラインが普及すれば、すべての医師が同じ方向性を持って治療ができるはずなのですが、昨日のアドエアを使った4歳のぜんそく児のように“我流”の対応になっているケースも少なくありません。患者さんが必死に通っているにもかかわらず、そういった治療で改善させられていないのなら、敢えて言わせて頂きますが、“企業努力”が足りないと言われても仕方ないと思います。
これまで上越には小児科でアレルギーの専門医はおらず、一人で子どものアレルギーについてトータルで話のできる小児科医はいなかったはずです。真面目に診療しているつもりですので、今回白羽の矢が立ち、大勢の学校関係者の方々の前で話をする機会を頂き、嬉しく思っています。医療関係者でなくても理論的に話せば、現在子ども達が正しい治療を受けているのかだいたい判断できると思うのです。ですから、“我流”の治療を減らし、ガイドラインを広めるチャンスでもあると思っています。
ガイドラインに沿った治療を行えば、まず間違いなく改善の方向へ持っていけるはずです。アレルギーの専門施設で学ばせて頂いた数少ない小児科医として、私が地元にガイドラインを普及させる役割を与えられたと考えています。


