小児科 すこやかアレルギークリニック

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帳消し
2010年07月02日 更新

子どものアレルギー医療には、様々な問題があり、それを指摘し、解決する努力をしたいと思っています。

そのためには、各医師が的確に診断し、適切な治療を行うのが一番簡単ですが、すべての医師がアレルギーに詳しい訳ではないため、私がよく触れている「ガイドライン」が存在します。しかし、そのガイドラインが有効に利用されていないのが新潟県の現状です。となると、親御さんが自分の子どもが受けている医療が適切かどうかを知る努力をしなければなりません。あまり言いたくはないですが、医師を替えるのが一番早かったりします。

先日、当院を初めて受診された1歳の患者さんは、いくつか相談したいことがあったようですが、その一つに皮膚を痒がる、ということがありました。アトピー性皮膚炎を見逃してはいけないと思い、皮膚をくまなく診ましたが、アトピーを積極的に疑う所見は得られませんでした。しかし、赤ちゃんにしては引っ掻き傷があるのが気になっていました。

念のためと思い、生後間もなくからの皮膚の状況を聞いてみることにしました。そうしたら、明らかにおかしい点がありました。顔に治りづらい湿疹があり、1年以上かかって消えたのだそうです。その当時は下越の某市の小児科に行っており、その時は診断名は何も告げられず、「治らないからずっと付き合っていくべきもの」と言われたのだそうです。ちなみに1年も顔を掻き続けていたのだそうです。

その話を聞いて、非常にガッカリしました。小児科医がベストも尽くさずに、治療を放棄しているとしか思えなかったからです。親御さんは医師にそう言われると、信じ込んでしまいます。お母さんには「治らないと言われたんだよね?。でも今は顔には何もないよね。ウソだったと言わざるを得ないよね?。」というと、「本当ですね」と気付いてくれました。

母の携帯に残っていた当時の顔の画像を確認すると、アトピー性皮膚炎と診断していい状況でした、アトピーは皮膚の炎症に対し、炎症を抑える薬を選択し、充分に叩けば、炎症に基づいて起きている痒みも確実に軽減できます。

有効な対処法があるにもかかわらず、患者さんと向かい合っていなかったのでしょう。よく分からなければ、分かる医師に相談すべき義務があったにもかかわらず、何もしなかったことは、これまで熱を出した時、吐いた時にお世話になっていたとしても、それを帳消しにする行為と言えるのではないかと思ってしまいます。

ラーメン屋に初めて入る時に「ここのラーメン、外れじゃないかな?」と心配しながら入ることはあっても、医療機関を受診するときは「キチンと診断してもらえるんだろうか?」と心配して受診はしないですよね?。つまり、医療に関しては、まず最初に“信頼”ありきなんだと思います。

しかし、ぜんそくを“風邪”、アトピーを“乳児湿疹”と診断している医師がとても多いのが現状です。良くならなくても、風邪、乳児湿疹という診断を変えようともしないのは不思議でなりません。嫌な言い方になりますが、“信頼”しても裏切られるようなことも起こり得ます。

これだけ医療が多様化してくると、一人の医師にすべてを任せていてはいけない時代になっているのは明らかでしょう。今は“セカンドオピニオン”というシステムもあります。何度か通っても症状が良くならない、同じ薬を出し続けられている、という状況でも、かかりつけ医から紹介状を書きましょうなんて言われることは私の経験上、あまり期待できないので、ある程度積極的に別の医師に診てもらうという姿勢も、お子さんの身を守るためにも必要なのだと思っています。