2日の土曜を休診にして、第3回すこやか健康フェアを開催しました。
構成は、11時からは私の話、12時からはアレルゲン除去食の展示と試食会、14時からは高増先生の新しい食物アレルギーの治療の話、私の体が空いていれば無料個別相談をやっていました。
食物アレルギーは、新潟県は全国でもかなり低いレベルにあります。本来、受けられるべきガイドライン沿った対応を子ども達が受けられていません。アレルギー検査だけで食べられる、食べられないの判断をされています。いつも言っている通り、「食物負荷試験』によって判断するのですが、かなりの知識と技術が必要です。負荷するに当たり、アナフィラキシーのリスクも伴います。
患者さんのリスクもありますが、医師も不測の事態に陥り、訴えられるなどのリスクを抱えることになると思います。自分がリスクを抱えても、とにかく「食べさせてあげたい」という強い気持ちが必要です。
ガイドラインにアレルギー検査を除去の指標にするのは間違いであると明記されています。にもかかわらず、そう判断されているケースが多いのです。敢えて言いますが、食物アレルギーを診るのは小児科医だけではないでしょうが、そういう食物アレルギーの“常識”を知らないのは医師として正しい対応とは言えませんし、知っていてそうしないのは、尚更問題があると思います。
新潟は我慢強い患者さんが多いため、決して正しいとは言えない指導に文句ひとつ言いません。いつまでもそうではいけないので、患者さんに正しい知識を持って頂き、それを広めていけば、医療も含めた全体のレベルアップが図れると考えています。それを狙ったのが「すこやか健康フェア」であるといっても過言ではありません。
私の話も、いつもと同じではマンネリ化してしまうので、後半は最新情報を組み入れました。最近は経皮感作といって、食物アレルギーの重症な子はアトピーも重症であることが多く、皮膚から食物アレルゲンが入ることによって、食物アレルギーが悪化するのではないかと考えられています。
また、厳格に除去を薦める医師にかかっていて、真面目に除去に取り組んでいる患者さんの方が、なかなか解除できないという事実もあるそうです。最近は、食べないことで一層食べられなくなってしまう可能性が示されているという話もさせて頂きました。食物アレルギーに関して、新しい情報を入手する努力をしていないと、時代に取り残されてしまいます。
当院は、重症な食物アレルギーの患者さんも診ています。他の医院でサジを投げられた患者さんの対応をしています。最近、当院に来られた患者さんで、離乳食や普段の食事に困っており、「すこやか健康フェア」に誘っていました。それは、アレルギー除去食の展示と試食会も行ったのですが、作ってきてくれたのは、現役の食物アレルギーの子を持つお母さんだからです。同じ母親として、親身に相談に乗ってくれるだろうと思ったのです。作戦は成功し、今回はいつもより好評だったようです。
14時からは高増先生の講演だったので、それまでの間は診察室で個別相談をしていました。驚いたのが、新潟市から相談に来られた方が複数おられました。上越市だけでなく、新潟市でも同じ悩みを抱えているのだろうと思っています。
その辺りを考慮し、来年の「すこやか健康フェア」は新潟市で開催したいと思います。ぜんそくの話の希望もありました。今後の参考にさせて頂きたいと思っています。
さて、メインイベントは神奈川県立こども医療センターの高増先生のご講演だった訳ですが、運動会などのイベントの多い中、多くの参加を頂きましてありがとうございました。
高増先生は学会でもご活躍されているので、お話は私も聞いたことがあるのですが、患者さんが対象だと、とても分かりやすい話し方に私もビックリしました。医学的知識の少ない方にはこう話せばいいんだというお手本になるような話し方だったのです。
内容も患者さんサイドに立ったもので、諦めず、腐らずに少しずつ食べさせていけば徐々に食べられるようになるといい、私の患者さんも多く参加していましたが、きっと勇気を頂けたと思っています。今回、高増先生に来て頂いて良かったと思っています。
週末に上越を震源とした地震が数回ありましたが、土曜にも1回震度4の地震がありました。ちょうど個別相談をやっていた時でした。高増先生の到着前だったので、心配しましたが、駅を降り立った後でしたので、講演には支障はありませんでした。
イベントに終了時にアンケートを書いて頂きました。今後どう「すこやか健康フェア」を発展させていこうかと考えているからです。好評で、来年も続けるエネルギーを頂けたと思います。更に参加者の方から「新潟でこんな話が聞けるとは思わなかった」というメールを頂きました。ありがたいことです。私は日頃から“全国レベル”の医療をやりたいと思っていますので、講演会ももちろん学会で活躍されている全国レベルの先生に来て頂いています。
繰り返しになりますが、食物アレルギーをアレルギー検査のみで判断し、“3分診療”で対応するのは間違いです。インタールという抗アレルギー薬を間違って使っているケースも少なくありません。患者さんは、正しい医療を受けても、“3分診療”を受けても、同じ医療費を請求されます。私ももっと勉強を続けなければなりませんが、医師の知識のレベルの差は雲泥の差があるのは事実でしょう。
患者さんにもそういった事実を認識し、正しい知識を手に入れる努力も必要です。もう少しどん欲になって頂き、“全国レベル”の医療を受けて頂きたいと思っています。と同時に当院は“全国レベル”の情報発信をしていかなければならないと考えています。


